旅素描~たびのスケッチ

気ままな旅のブログです。目に写る風景や歴史の跡を描ければと思います。

東海道

歩き旅のスケッチ[東海道]60・・・宇津ノ谷峠

府中へ 駿河湾に面した焼津市と、少し山手の藤枝市。両市から、東隣の静岡市に向かうには、間を隔てる山並みを、通り抜けなければなりません。 海岸沿いは、大崩(おおくずれ)と称されて、崖地の端が海まで達し、厳しい地形を作ります。ひと山奥へと向かっ…

歩き旅のスケッチ[東海道]59・・・岡部宿と峠道

峠越え 岡部の宿場を後にして、静岡市を目指す街道は、宇津ノ谷(うつのや)の峠へと向かいます。 この辺りを通過する、東名高速道路などの幹線は、日本坂トンネルを通り抜け、難なくこの区間を過ぎることができますが、歩き旅では、そう簡単にはいきません…

歩き旅のスケッチ[東海道]58・・・岡部宿へ

近づく山々 駿河の国の中心は、今の静岡市、かつての駿府(すんぷ)の城下です。この城下町の真っ只中に、府中の宿場が設けられ、町人と旅人たちが入り混じる、賑わいの町ができました。 街道は、府中の宿場を目指しつつ、一路東に向かいます。 ただ、この先…

歩き旅のスケッチ[東海道]57・・・藤枝宿から岡部宿へ

藤枝 藤枝は、JR藤枝駅周辺と、瀬戸川を越えた先の、北東地域が市街地の中心です。宿場町は、後者の方。川を越え、かつての藤枝の中心地、田中城の近くを通る道沿いです。 歴史的には、駿府城の守りの要。徳川の世にあって、重要な地勢上の役割りがあったと…

歩き旅のスケッチ[東海道]56・・・島田宿から藤枝へ

駿河の街道 駿河の国の街道を、島田宿、藤枝宿へと向かいます。これらの都市は、静岡県の地方都市。焼津市の北にある、岡部宿の辺りまで、比較的新しい街の景色がつながります。 駿河の国の中心地、駿府の城下は、岡部宿の先にある、宇津ノ谷峠(うつのやと…

歩き旅のスケッチ[東海道]55・・・川越遺跡

川越遺跡 大井川の川越しは、”越すに越されぬ大井川”と言われるように、大変厳しいものでした。東海道の道中にある、幾つかの厳しい峠の道は、体力さえ保てれば、何とか凌ぐことが可能です。仮に、自力で越えられない場合でも、馬や駕籠が先の宿場に導いても…

歩き旅のスケッチ[東海道]54・・・金谷宿と大井川

大井川の拠点 静岡県の金谷と言えば、大井川鉄道の拠点の町として有名です。元は、町政が敷かれていましたが、大井川を挟んだ対岸の島田市と合併し、今は島田市に属します。 大井川鉄道は、金谷駅と大井川上流の千頭駅(せんずえき)とをつないでいる、大変…

歩き旅のスケッチ[東海道]53・・・菊川から金谷宿へ

石畳の峠越え 菊川の集落から、24番金谷宿(かなやじゅく)に向かう街道は、再び、厳しい峠道。この山道は、石畳が敷き詰められて、往時の様子が偲ばれる道筋です。 先の宿場の日坂宿と、金谷宿の間の距離は、僅か6.5Kmほどの道のりですが、2つの峠を…

歩き旅のスケッチ[東海道]52・・・小夜の中山峠と菊川

広がる茶畑 延々と続く坂道は、やがて、茶畑が際限なく見渡せる、牧之原の台地に入ります。お茶の葉は、畝状に美しく刈り取られ、緑の波がどこまでも広がります。これほどの見事な茶畑の景観は、これまで、目にしたことはありません。 緑の垣根に囲まれなが…

歩き旅のスケッチ[東海道]51・・・日坂宿と峠への道

日坂宿と二の曲り 東海道53次の宿場町、25番の日坂宿(にっさかじゅく)は、広大な牧之原台地の西にあり、台地を挟んだ東の位置に、次の宿場の金谷宿(かなやじゅく)が控えます。 台地を挟んだ東西の宿場の間は、7Kmほどの距離ですが、厳しい坂道が続…

歩き旅のスケッチ[東海道]50・・・掛川宿から日坂宿へ

牧之原へ 掛川の次の宿場は、25番日坂宿(にっさかじゅく)。掛川市にある2つ目の宿場です。掛川の駅の辺りで手に入れた資料によると、日坂宿は、宿場町の状態がそこそこ保存されているということです。どのような町なのか、期待に胸が膨らみます。 ただ…

歩き旅のスケッチ[東海道]49・・・掛川宿と掛川城

掛川市 袋井の次の宿場は、26番掛川宿。掛川には、東海道新幹線の駅もあり、遠州東部の中心です。 掛川は、また、城下町としても有名で、街の中には雅な姿の天守閣がそびえます。東海道は、城下の中を東西に横断し、東に向かうと、次第に牧之原台地が近づ…

歩き旅のスケッチ[東海道]48・・・掛川宿へ

歴史道 袋井の次の宿場は、26番掛川宿。袋井宿を出てからは、しばらくは市街地の道ですが、その後、掛川までの道筋は、歴史の香りが漂います。 松の並木がところどころに見受けられ、街道は、緩やかな曲線を保ちます。落ち着いた空気が漂う沿道は、歴史の…

歩き旅のスケッチ[東海道]47・・・袋井宿から掛川へ

遠州の道 浜名湖を過ぎた後、東海道は次第に太平洋から遠ざかり、なだらかな台地状の平地の中を一路東へと向かいます。その先は、次第に丘陵地が近づいて、視界は遠方の木々の緑を捉えます。 前面に立ちはだかるのは、遠江の東に広がる、牧之原台地と呼ばれ…

歩き旅のスケッチ[東海道]46・・・見付宿から袋井宿へ

東海道の真ん中へ 江戸日本橋と京都三条大橋を結ぶ東海道。この街道の中間地点は、天竜川の右岸にある、浜松の中野町だと言われています。*1実際に、中野町に掲げられた案内には、東海道中膝栗毛の記載を受けて、「江戸へも60里、京へも60里」のところと…

歩き旅のスケッチ[東海道]45・・・見付宿へ

磐田の街と見付宿 磐田市は、元々国府が置かれ、遠江の国の中心地だったところです。今も、府八幡宮が街道沿いに姿を留め、遠江国分寺跡や数々の史跡が残ります。この磐田市にある見付の宿場は、古くから、東西をつなぐ街道の要衝地。江戸期には、東海道が公…

歩き旅のスケッチ[東海道]44・・・天竜川から磐田市へ

磐田の街 浜松市の東隣は、天竜川の東に位置する磐田市(いわたし)です。それほど有名な街ではないものの、サッカーのジュビロ磐田の本拠地として、知る人ぞ知る、サッカーの街でもあるのです。 この磐田市は、その昔、国分寺が置かれていて、遠江の国の中…

歩き旅のスケッチ[東海道]43・・・天竜川へ

川越えの街道 浜松の宿場から先の街道は、幾つもの河川を越えて、箱根の峠を目指します。この先の川越しで、最初の難関とされていたのが、天竜川。浜松市と磐田市の間を流れ、遠州の平野を二分する河川です。 天竜川は、信州の諏訪湖をその源流として、伊那…

歩き旅のスケッチ[東海道]42・・・浜松宿

遠州の府 浜松市は、静岡市と並ぶ静岡県の大都市です。県庁は静岡市にありますが、人口では浜松市が勝ります。この人口順序は、昔から同じような状況で、浜松市の優位は変わりません。 遠州灘を前にして中田島の砂丘が広がる浜松は、徳川家康と武田信玄の戦…

歩き旅のスケッチ[東海道]41・・・舞坂宿から浜松宿へ

舞阪 舞阪は、今は浜松市に属します。平成の大合併で、近隣の自治体と共に、浜松市の一部となりました。 前回の記事でも触れたように、地名や駅の名前は「舞阪」で、宿場の名前は「舞坂」です。どうして、「坂」の字が異なっているのか、その理由は分かりま…

歩き旅のスケッチ[東海道]40・・・浜名湖から舞坂宿へ

浜名湖と東海道 浜名湖は、東海道を代表する景勝地の一つです。下流域では、太平洋とつながっていて、海水と淡水が入り混じる汽水湖です。上流部では、地形が入り組み、その景色は一様ではありません。 この、変化に富んだ自然のかたちは、一方では、豊かな…

歩き旅のスケッチ[東海道]39・・・新居宿と新居の関所

関所の町へ 浜名湖の西岸に位置する新居の宿場は、関所の町としても有名です。東海道の沿線で、どれほどの関所があったのか、調べたことはないのですが、新居の関所と箱根の関所は、余りにも有名です。 東海道を往き来するとき、浜名湖の辺りは必ず通らなけ…

歩き旅のスケッチ[東海道]38・・・東海道の第2章、遠州白須賀宿

遠州路から駿河路へ 今回から、「歩き旅のスケッチ[東海道]」に戻ります。先に紹介した第1部では、中山道と分岐する、草津宿の追分から始まって、三河の国のはずれまでを紹介してきたところです。 続く第2部のシリーズは、遠州路と駿河路です。今の静岡…

歩き旅のスケッチ[東海道]37・・・二川宿から遠州へ

三河から遠州へ 今回で、「歩き旅のスケッチ[東海道]」の第1章を終わります。最終回の今回は、三河の国の二川宿(ふたがわじゅく)。東海道の宿場の中では、珍しく、往時の面影がよく残るところです。 このシリーズで、何度も触れてきたように、東海道の…

歩き旅のスケッチ[東海道]36・・・吉田宿から二川宿へ

三河の国の最後の宿場 いよいよ、三河の国の最終章。豊橋市にある2つの宿場、吉田宿と二川宿を訪ねます。 近江の国の草津宿から出発して、伊勢、尾張へとつなぎ歩いて、三河の国へ。そして、愛知県の最東端の豊橋です。静岡の遠江の国を目前にして、三河最…

歩き旅のスケッチ[東海道]35・・・吉田宿へ

豊橋平野 街道は、御油の宿場を出た後は、豊橋の平野の道を一路南東に向かいます。次の宿場の吉田宿は、豊橋市の市街地にある宿場です。元は、城下町として発展し、東西の往き来の中で、街道や宿場町が形づくられたのだと思います。 三河の国も、いよいよ終…

歩き旅のスケッチ[東海道]34・・・御油宿と姫街道

松並木から豊橋の街へ 街道は、山間の道を通り抜け、次第に平地へと向かいます。辺りの景色も変化して、徐々に市街地の空気を感じる街並みへ。 赤坂の次の宿場の御油宿は、東海道の脇街道として有名な、姫街道との分岐です。東海道と姫街道。何れの道を選ぶ…

歩き旅のスケッチ[東海道]33・・・本宿から赤坂宿と御油宿へ

豊橋の平野へ 間の宿(あいのしゅく)の本宿(もとじゅく)と、36番赤坂宿、35番御油宿は、山地を通る街道にある宿場です。この区間の街道は、一部を除いて、かつての道筋が良く残り、山間の景色を楽しみながら歩けます。 街道筋が保存された理由として…

歩き旅のスケッチ[東海道]32・・・藤川宿から間の宿の本宿へ

三河の山地越え 街道は、しばらくの間、小高く広がる山間の道に入ります。この山地、愛知県の北部から、三河湾の蒲郡(がまごおり)にかけて連なるため、豊橋に向かうには、この山間を通り抜けなければなりません。 久々の山間の道と、ひっそりと佇む、間の…

歩き旅のスケッチ[東海道]31・・・岡崎宿から藤川宿へ

三河の街道 三河の国の2つの都市、岡崎市と豊橋市の間には、三河の山地が横たわります。境川を越えてから、三河の国の街道は、比較的平坦な道でした。見晴らしも良く、平地が広がる地形の中を、街道は一筋の流れをつくります。 岡崎の宿場を後にして、まだ…