旅素描~たびのスケッチ

気ままな旅のブログです。目に写る風景や歴史の跡を描ければと思います。

東海道

歩き旅のスケッチ[東海道]90・・・畑宿へ

寄木細工 箱根には、古くから親しまれている、寄木細工のお店が並ぶ町があり、道ゆく人の目を惹きつけます。この町は、畑宿というところ。有名な温泉などが点在する、国道沿いの町ではなくて、国道から尾根を挟んだ南側。街道と肩を並べて斜面を下る、県道沿…

歩き旅のスケッチ[東海道]89・・・箱根の里へ

東の坂道 箱根の山の東側は、かなり厳しい坂道です。芦ノ湖がある盆地から、外輪山の峠に上り、その後は、一気に下り坂に入ります。今は、階段の場所もありますが、延々と、下りの道が続きます。 私たちが箱根の山へと辿った道は、三島からの上り道。その道…

歩き旅のスケッチ[東海道]88・・・箱根の関所と杉並木

芦ノ湖辺り 箱根には、たくさんの観光スポットがありますが、中でも、芦ノ湖の東の地域は、観光の中心地。 そこには、芦ノ湖の水上観光の基地があり、湖と富士山の絶景が味わえます。また、箱根の関所があったところは、往時の施設などが再現されて、興味深…

歩き旅のスケッチ[東海道]87・・・箱根峠と箱根宿

峠から箱根の宿場へ 峠を越えると、道は一気に下り坂。芦ノ湖の水面が広がる、箱根の盆地に近づきます。以前にも触れた通り、箱根は火山状の地形です。外輪山とカルデラが、見事な自然景観を醸し出し、多くの観光客を迎えます。 それでも、かつては、厳しい…

歩き旅のスケッチ[東海道]86・・・箱根峠へ

峠の風景 箱根峠は、三島と箱根の2つの宿場を、直線状につなぐ街道の最高地点。標高は、846mのところです。この峠を境にして、街道は、芦ノ湖を湛えている、箱根の盆地に向かいます。 箱根の山は、火山地帯とも言える土地。熊本の阿蘇山と同じように、…

歩き旅のスケッチ[東海道]85・・・スカイウォークと山中城

峠への道 峠に向かう街道は、上り坂の連続です。次から次に、姿を変えた坂道が現れて、体力を奪います。 石畳の坂道や、土道の凹凸が激しい坂道などもありますが、国道の単調な道筋は、かえって疲れを誘います。着実に、峠に近づいてはいるものの、思うほど…

歩き旅のスケッチ[東海道]84・・・箱根の坂道

続く坂道 三島宿と箱根宿の間の距離は、およそ15Kmの行程です。「箱根八里は馬でも越すが」と言われてきたのは、その通り。それでも、延々と続く上り坂は、並大抵ではありません。山道に慣れない体に鞭を打ち、坂道をひたすら歩き続けます。 ただ、救われ…

歩き旅のスケッチ[東海道]83・・・三島宿から箱根の坂へ

東海道の最終章 今回から、「歩き旅のスケッチ[東海道]」に戻ります。箱根の山への上り道から始まって、江戸日本橋まで、東海道を歩いてつなぐシリーズの最終章。 この区間には、名所や観光地が目白押し。最後の”海道”歩きを楽しみます。 ※左、箱根の杉並木…

歩き旅のスケッチ[東海道]82・・・三島宿と三嶋神社

伊豆の国の宿場町 三島宿は、伊豆の国唯一の宿場町。都から江戸に向かう時、箱根峠を目前にして、旅装束を整える場所だったのだと思います。あるいはまた、都へと向かう場合は、箱根八里を乗り越えて、安堵を覚える宿場だったことでしょう。 ”富士の白雪ャ・…

歩き旅のスケッチ[東海道]81・・・沼津宿から三島宿へ

伊豆の国へ 東海道は、遠江、駿河の国を横断し、いよいよ静岡県の最後の国、伊豆の地へと向かいます。 伊豆と言えば、その昔、源頼朝が流刑を受けて、身を潜めたところです。当時は、都から随分離れた、最果てとも言えるような場所だったのだと思います。 伊…

歩き旅のスケッチ[東海道]80・・・原宿から沼津宿へ

沼津へ 駿河の国の東端に位置する沼津の街は、東海道12番目の宿場町。伊豆の国に隣接し、伊豆半島西側の玄関口でもある街です。 沼津から、愛鷹山の東の麓を北上すると、裾野市や御殿場市、さらには、山中湖方面にも繋がります。幾つもの道が放射状に延び…

歩き旅のスケッチ[東海道]79・・・原宿へ

愛鷹山と駿河湾 富士市から沼津市へと向かうには、愛鷹山(あしたかやま)の裾野を辿る、国道1号線を走るのが一般的なルートです。ただ、この辺りには、山際を通過する、東名高速道路を初めとして、駿河湾に沿って延びる県道など、幾つかの主要道路が走って…

歩き旅のスケッチ[東海道]78・・・田子の浦

田子の浦 「田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ」 山部赤人(やまべのあかひと)の作とされるこの和歌は、小倉百人一首にも収められた、有名な一首です。多くの人が口ずさみ、真っ白な富士山と田子の浦の情景を、想い描かれたこ…

歩き旅のスケッチ[東海道]77・・・吉原宿から原宿へ

吉原の道 吉原の宿場から、海に向かう街道は、様々な表情を見せながら、初期の頃の、宿場の地へと誘います。3か所も場所を変えた吉原宿。海近くから内陸へと、少しずつ移動を重ねてきたのです。 富士山も、次第に姿を変化させ、私たちの背後へと遠ざかり、…

歩き旅のスケッチ[東海道]76・・・吉原宿へ

再び"海道"へ 富士川を、最適な位置で渡るため、街道は、海岸から少し離れた、富士山の裾野近くを通ります。今は、富士市の市街地を、巡るように縫い歩き、吉原の宿場を目指すのです。 13番目の吉原宿。初めの頃は、海の近くに設けられたようですが、高潮…

歩き旅のスケッチ[東海道]75・・・富士川から富士の街へ

富士市 富士市は、なかなか、特徴ある街だと思います。新幹線や高速道路を利用して、街の様子を眺めていても、製紙工場の煙突と、そこから吐き出す白い蒸気に目が止まり、街の様子を窺い知ることはできません。一方では、富士山の秀麗な姿が圧倒的で、その裾…

歩き旅のスケッチ[東海道]74・・・富士川へ

富士川越え 富士川は、その流域の広さから、水は川幅一面に、とうとうと流れます。この川を越えるには、川越人足の技では敵いません。舟の利用が不可欠で、古くから、発達していた水運を利用して、対岸に向かったということです。 今は、県道に架かる富士川…

歩き旅のスケッチ[東海道]73・・・蒲原宿から富士川の町へ

富士川の町 街道は、この先で、駿河湾に流れ注ぐ富士川を、どこかの場所で渡らなければなりません。富士川は、その延長は、大井川より短いものの、流域は、大井川の3倍です。甲斐の国から水を集めて、富士の裾野に達する川は、日本でも有数の河川です。 街…

歩き旅のスケッチ[東海道]72・・・蒲原宿へ

静岡市の最後の宿場 街道は、次の宿場の蒲原宿(かんばらじゅく)に向かいます。直前の由比の町と、この次の蒲原は、かつては、それぞれが単独の自治体でした。それでも、遂には合併の波が押し寄せて、静岡市の一部になったのです。 合併により市域を広げた…

歩き旅のスケッチ[東海道]71・・・由比宿から蒲原宿へ

由比と蒲原 もう、半世紀近く前のこと。私がお世話になっていた、静岡の方に勧められ、由比(ゆい)と蒲原(かんばら)を訪れたことを覚えています。古くからの家並が、良く残っているということで、旅情をかき立てられるようにして、由比の駅に降り立ちまし…

歩き旅のスケッチ[東海道]70・・・由比宿へ

街道の風景 薩埵峠を下った先は、かつての街道の面影がよく残る道筋が続きます。崖地の下の僅かな隙間に、街道と家並が、細長く伸びて行き、16番由比の宿場へとつながります。 駿河の国の街道は、その多くは、市街地の中ですが、ここから先、富士川までの…

歩き旅のスケッチ[東海道]69・・・薩埵峠と富士の絶景

富士の絶景 東海道53次の浮世絵で、風光明媚な景観が描かれた、代表作とも言えるのが、薩埵峠(さったとうげ)から富士山を望んだ一枚です。 左には、急峻な崖がそそり立ち、その中腹の、僅かな隙間に張り付くような街道を、数人の旅人が往き交います。右…

歩き旅のスケッチ[東海道]68・・・興津宿から薩埵峠へ

交通の要衝 興津宿は、それほど大きな宿場ではありません。それでも、この先に薩埵峠(さったとうげ)が控えているため、旅装を整える場所などとして、賑わっていた様子です。 興津は、また、甲斐の国の山中にある、日蓮宗の総本山、身延山久遠寺(みのぶさ…

歩き旅のスケッチ[東海道]67・・・興津宿と清見寺

歴史が残る町 次の宿場は、17番目の興津宿(おきつじゅく)。この先の、興津・由比(ゆい)・蒲原(かんばら)は、それぞれが、特色ある歴史を残しながら、宿場町の淡い香りを放っています。 3か所の宿場をつなぐ街道は、左には山が迫り、右側は駿河湾の…

歩き旅のスケッチ[東海道]66・・・江尻宿から興津宿へ

駿河湾 清水から、沼津市の伊豆半島のつけ根までは、弓なりに湾曲した海岸線が続きます。この辺りは、駿河湾が奥に食い込み、海面が、陸地の懐に抱き込まれたような地形です。湾内は、深い水深が特徴で、深海魚など、珍しい魚介類も数多く見られます。 街道…

歩き旅のスケッチ[東海道]65・・・江尻宿へ

清水 平成の合併で静岡市になるまでは、清水の街は、清水市として、そこそこの規模を誇る都市でした。 歴史ある清水港(湊)や、羽衣の伝説と富士山を望む絶景地として有名な、三保の松原などがあり、多くの人が訪れるところです。 近年では、ちびまる子ちゃ…

歩き旅のスケッチ[東海道]64・・・府中宿と静岡市

静岡の街 静岡平野を、埋め尽くすように広がる静岡市。元は、日本平の南西に位置する静岡市と、北東側の清水市は、別々の街でした。両市は、平成の大合併で統合し、今では、政令指定都市のひとつとして、都市形成が進んでいます。 街道は、元の静岡市にある…

歩き旅のスケッチ[東海道]63・・・府中宿と駿府の城下

駿府城と府中の宿場 街道は、安倍川を渡った先で、府中の宿場に入ります。安倍川寄りの宿場には、川越しに関係した町並みが続いたはずで、その後次第に、城下町の色合いが深まっていったのだと思います。 城下の近くを、街道が通るところは数多くありますが…

歩き旅のスケッチ[東海道]62・・・府中宿へ

安倍川越え 丸子宿から府中宿に向かうには、途中で安倍川の川越しが待ち受けます。安倍川は、天竜川や大井川と比べると、その規模は、僅かに劣りはするものの、日本では有数の大河川のひとつです。 街道が通る辺りの河川敷には、小石の河原が広がりますが、…

歩き旅のスケッチ[東海道]61・・・丸子宿から駿府の城下へ

峠と川の狭間 丸子(まりこ)の宿場は、都に向かう場合には、峠を控える宿場町。一方で、江戸を目指す人にとっては、峠越えの苦労の後で、ようやく辿り着けた宿場です。 ここからは、あと少しで駿府の城下。府中の宿場は、もう目と鼻の先のところです。丸子…