旅素描~たびのスケッチ

気ままな旅のブログです。目に写る風景や歴史の跡を描ければと思います。

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

巡り旅のスケッチ[西国三十三所]9・・・長谷寺と法起院(前編)

西国巡礼の原点 長谷寺は、大和川が谷を削った山の斜面に、境内を構えます。今は、桜井市の東の外れ、古代の国(倭国=やまとのくに)の中心地、三輪の町から、少し東に入ったところです。初瀬(”はつせ”、あるいは、”はせ”)とも呼ばれるこの地域、信仰の山…

巡り旅のスケッチ[西国三十三所]8・・・岡寺

飛鳥の古刹 西国三十三所の次の札所は7番目、飛鳥にある、岡寺です。仏教が、日本の国に伝わったのは、6世紀の半ば頃。それからおよそ100年後、当時の日本の中心地、遠つ飛鳥*1の丘の上に、この寺院は建ちました。 日本における仏教の、原点でもある飛…

巡り旅のスケッチ[西国三十三所]7・・・南法華寺(壷阪寺)

飛鳥の奥地 6番から9番目の霊場は、大和の国を巡ります。まずは、6番札所の壺阪寺(つぼさかでら)。正式には、壺阪山南法華寺(つぼさかやまみなみほっけじ)と呼ぶようですが、通称名の壺阪寺こそ、よく知られた名前です。 6世紀後半から、およそ1世…

巡り旅のスケッチ[西国三十三所]6・・・葛井寺

河内の国へ 西国三十三所の次の寺院は、5番札所の葛井寺(ふじいでら)。和泉の国から河内の国へ、北に向かって進みます。 葛井寺のある場所は、藤井寺市の街の中。近鉄の藤井寺駅の近くです。住宅がひしめくところに姿を隠す霊場は、かつては、農地が広が…

巡り旅のスケッチ[西国三十三所]5・・・施福寺(後編)

空海と施福寺 4番札所の施福寺は、空海ゆかりの寺院です。前回にも少し触れた通り、遣唐使として長安に赴いた空海は、真言密教の正統な後継者として認められ、わずか2年で帰国の途に着きました。帰国後は、太宰府辺りでしばらく過ごし、その後、ここ施福寺…

巡り旅のスケッチ[西国三十三所]4・・・施福寺(前編)

山を越え 粉河寺(こかわでら)に続く札所は、和泉の国の施福寺(せふくじ)です。紀伊の国の北端の、険しい山々を北に進んで、なお平地には程遠い、槇尾山(まきのおさん)の山の中。かつて、遣唐使から帰国した空海が、京の都に赴くまでに、およそ2年の年…

巡り旅のスケッチ[西国三十三所]3・・・粉河寺

紀ノ川へ 紀三井寺の次の札所は、紀ノ川の中流にある粉河寺(こかわでら)。谷あいではあるものの、平地が残る粉河の町の、すぐ北の辺りに境内が佇みます。背後には、なだらかな丘が続いて、その先は、泉州との国を分ける、急峻な山脈です。 一方で、東に延…

巡り旅のスケッチ[西国三十三所]2・・・紀三井寺

北へ 西国三十三所の2番札所は、和歌山市の紀三井寺。熊野の地の青岸渡寺から、一気に北に向かいます。 かつては、都から熊野詣に訪れて、その目的を成就した後、帰りの道が巡礼の旅だったのかも知れません。那智山の熊野那智大社での参詣後、隣接する青岸…