2022-01-01から1年間の記事一覧
相模の国へ 信州から甲州を歩きつないで、甲州の最東端、上野原の宿場に着きました。甲州道中と言う名のとおり、甲斐の国を中心に、信州と江戸とを結ぶ、江戸時代の幹線道路。様々な表情を見せながら、旅人を誘います。 街道は、この先で、甲州を後にして、…
上野原駅辺り JR中央本線は、桂川*1が流れ下る、深い谷の斜面に沿って、その軌道が敷かれています。上野原の辺りでは、川沿いの平坦地は、やや広がった状態ですが、それでも、鉄道が通るところは、切り立った斜面のすぐ傍です。 上野原の駅を降り、甲州道…
中央自動車道路 愛知県の小牧から、信州の諏訪湖の南をかすめながら甲州へ、そして、東京の高井戸へと向かう中央高速自動車道路。甲州道中の道筋は、上野原の市内では、この高速道路を、繰り返し渡りながら、相模の国を目指します。 街道は、或る時は、高速…
談合坂 甲州道中の道筋は、深い山の片隅に、静かに佇む犬目の宿場を過ぎた後、一気に下り道に変わります。長々と続く下り坂。この付近には、談合坂と呼ばれる地域があるようです。実際に、その名の坂があるのかどうかは分かりませんが、上野原の街へと下る坂…
上野原市 街道は、大月市を過ぎた後、山梨県の東の端、上野原市に入ります。信州の富士見町を終えた後、甲州の北杜市に足を踏み入れた歩き旅。延々と辿りつないで、いよいよ、甲州の最後の地へと向かいます。 山の中の高台に、市の中心部がある上野原。桂川…
山里へ 甲州道中の難所といえば、既に通った笹子峠と、この先で、東京の高尾に向かう小仏峠が有名です。そして、この2か所に次ぐ難所の道が、ここからの先の道中です。 上鳥沢の宿場から、犬目の宿場に向かう街道は、深い山の中を辿る道。極端な峠道ではな…
桃太郎伝説 街道は、猿橋を越え、鳥沢に向かいます。そして、その先は、深い山の中にある、犬目宿。・・・よく見ると、”猿”、”鳥”、”犬”の、3つの文字が並んでいます。不思議な地名と思いつつ、それほど気にすることはなく、これらの宿場を通り過ぎたもので…
猿橋 大月市の中心地にある、大月宿と駒橋宿。隣り合う、2つの宿場を過ぎた後、次に向かう宿場町は、猿橋です。 猿橋とは、少し変わった地名だと、不思議に思っていたところ、どうもそこには、”猿橋”と名付けられた、有名な木の橋があるようです。初めて耳…
大月市 大月市は、山梨県東部地域の中心地。東隣りの上野原市や、南隣りの都留市(つるし)とともに、山岳地帯の谷あいで、独自の町を築いています。 市の中心部には、大月駅。この駅は、JR中央本線の拠点駅であるとともに、富士急行の乗り入れもあり、都留…
花咲 次に目指す宿場町の花咲(はなさき)は、大月市の中心部にほど近いところです。今では、中央自動車道路の、大月ジャンクションが設けられ、町の姿は大きく変貌しています。 このジャンクション、東京の八王子方面への本線と、富士吉田や御殿場方面に南…
笹子川 街道は、山あいを流れ下る、笹子川に沿いながら、東へと向かいます。この笹子川、少し下ると、都留市(つるし)から流れ込む、桂川に吸収されて、大月の町を東進します。やがて、桂川も相模川と名前が変わり、相模湖を経由して、神奈川県の中央部を南…
笹子の町 笹子峠を下った先には、3つの宿場が並んでいます。それらの宿場町の名称は、黒野田宿、阿弥陀海道宿、白野宿の3宿です。肩を寄せ合う3宿は、互いに協力し合いながら、旅人をもてなしてきたのです。 峠越えは、それこそ険しい道ですが、難所の後…
笹子 笹子峠を越えた後、街道は、下り坂が続きます。途中に残る旧道の近くには、”矢立の杉”の名所とともに、杉良太郎の歌が流れる、石碑などが置かれています。 この先は、甲州東部の広大な山地の中につくられた、笹子川の谷間に沿って下る道。向かう先は、…
峠越え 甲州道中の笹子峠がある場所は、県道の笹子隧道の真上です。わずか、150mほどのトンネルは、赤茶けたブロックが積み上げられて、洋風の意匠なども施された入口で、どことなく、歴史の香りを感じます。 車線は、上下に分かれているようですが、と…
笹子 「笹子」という名をお聞きになると、笹子トンネルで起こった事故を、思い出される方も多いでしょう。今からちょうど10年前、中央自動車高速道路の笹子トンネル上り線で、大きな事故が起きました。この事故は、突然、トンネルの天井が崩れ落ち、たくさ…
甲斐大和 甲州市になる前は、大和村(やまとむら)だった甲斐大和。JR中央本線の、甲斐大和駅は、登山に挑む人たちの拠点です。小さな村の駅ですが、ところどころで、登山客の姿を見かけます。 駅前からは、この駅を起点として、山岳地域に入り込む、路線バ…
谷伝いの道 甲府盆地を最短距離で横切ってきた街道は、勝沼宿を過ぎた後、山あいの谷間の道に入ります。果樹の畑も次第に薄れ、それこそ、深い山の道へと向かうのです。ここから先は、甲州道中最初の難所、笹子峠を目指します。 これまでに、信州から甲州へ…
ブドウの町 山梨市にある栗原の宿場から、甲州市の勝沼宿まで、街道の沿線には、幾つものブドウ園が並んでいます。ブドウ農家の前庭には、大きなブドウの棚も見受けられ、通る人の目を惹きつけます。 私たちが歩いた時期は、まだ春の頃。たわわに実る果実の…
笛吹川 笛吹川は、甲府盆地の北東地域を流れ下って、盆地の南部を西進し、釜無川に合流します。合流地点のその先は、富士川と名前を変えて、身延の谷間を縫いながら、駿河湾へと向かうのです。笛吹川は、幾筋もの流れを作る甲斐の国の河川の中でも、有数の規…
石和温泉 甲州の温泉地として有名な石和(いさわ)の町は、かつては、甲州道中の宿場町だったところです。ただ、温泉は、昭和の中頃あたりに湧き出したということで、それほど歴史はありません。石和の地が、宿場町で賑わった時代には、湯けむりは上がってい…
甲府の街 甲府市は、いうまでもなく、山梨県の中心地。県庁もこの地に置かれ、賑わいの街をつくっています。甲府駅の南には、甲府城址と繁華街。さらに、官庁街が構えています。駅の北には、甲州夢小路と名づけられた、感じの良いお店が並ぶ、観光施設が設け…
甲府城 甲府市は、山梨県の中心地。かつて、武田信玄が居を構えたところです。甲府と言えば、信玄公。この2つ、どうしても切り離せない関係です。 そんな甲府の中心地、JR中央本線の甲府駅のすぐ傍に、頑強な石垣で囲まれた、甲府城址が残っています。駅前…
東へ 街道は、韮崎市を過ぎた後、隣接する甲斐市の市域に入ります。この辺りから、街道の方向は、南から東寄りに向きを変え、最短の道筋で、甲府盆地の東の境を目指すのです。 韮崎の次の宿場は、甲府市にある、甲府柳町。この間は、迂回した平地の道を辿ら…
韮崎と富士山 中央自動車道路を利用して、諏訪方面から、上り車線を走っていると、天気が良ければ、富士山が正面に現れます。道路は、長々とした下り坂。山梨県の長坂の辺りから、次第にその姿は、大きくなって迫ってきます。特に、韮崎のインターチェンジの…
韮崎 韮崎(にらさき)の中心部は、少し変わった地形です。西は、釜無川の流域で、東側は、塩川の流域です。市域の中央部分には、2つの川に挟まれた、分水嶺の高台が、南へと突き出します。突き出した高台が尽きる辺りで、2つの川は合流し、甲府盆地の西寄…
街道ルート 台ヶ原から韮崎(にらさき)に至る街道は、相変わらず、富士川の上流部である、釜無川に沿った道。古くから、暴れ川との異名で知られる、荒々しい河川伝いに、南東へと下ります。この川は、今も、山形の最上川、熊本の球磨川と並び称される、日本…
南アルプス 甲州に入った街道は、左手に、八ヶ岳の裾野を眺め、右には、甲斐駒ヶ岳の秀峰や、南アルプスの山々を望みながら進みます。岩盤がそびえるような甲斐駒ヶ岳。頂きの辺りには、真っ白い雪が覆います。さらに、その南には、富士山に次ぐ高さを誇る北…
甲州へ 甲州の入口は、少しずつ山が退き、平地の幅が広がる地形。釜無川に沿いながら、徐々に下流へと向かいます。 街道は、ところどころで、国道と合流しつつも、大方は、古くからの道筋を辿ります。落ち着いた、のどかな様子の集落は、心も和む光景です。 …
甲州へ 街道は、信州から甲州へ。戦国の世に、武田信玄が治めた領地、甲斐の国に入ります。山々に囲まれた甲州盆地。かつては、八ヶ岳の裾野に広がる扇状地を利用して、桑畑の産業が盛んだったようですが、近年は、ぶどうや桃など、果実栽培が主流です。 八…
釜無川の流域へ 富士見町の街道を、南東へと進んでいくと、道は、いつの間にか、釜無川(かまなしがわ)の流域に入ります。左右から迫る山。その隙間の底に流れを作る、釜無川に沿いながら、甲州道中は、甲斐の国へと向かいます。 依然として、上り下りが続…