旅素描~たびのスケッチ

気ままな旅のブログです。目に写る風景や歴史の跡を描ければと思います。

歩き旅のスケッチ[甲州道中]30・・・大月宿と駒橋宿

 大月市

 

 大月市は、山梨県東部地域の中心地。東隣りの上野原市や、南隣りの都留市(つるし)とともに、山岳地帯の谷あいで、独自の町を築いています。

 市の中心部には、大月駅。この駅は、JR中央本線の拠点駅であるとともに、富士急行の乗り入れもあり、都留市を経て、富士吉田市や河口湖へとつながります。

 甲府盆地を過ぎた後、山に入った街道は、久々に、”街”という雰囲気が感じられる地域に入ります。

 

 

 桂川

 下花咲の一里塚を過ぎた後、街道は、国道から左にそれて、旧道に入ります。そして、しばらくすると、桂川の流れです。右方向(南方向)の都留市から流れてきたこの川は、深い谷を削りながら、街道と交差した後、大きく右(東)へと屈曲し、左(西)から迫り来る、笹子川と合流することになるのです。

 街道は、桂川の橋を越え、その先で、再び国道へと戻ります。その先は、大月の中心地。山あいの町中の風景に変わります。

 

※大月の町中に入った街道。

 

 大月宿へ

 市内を通る国道は、それほど広い道ではありません。車の通りも頻繁ではなく、落ち着いた雰囲気のところです。途中には、市役所などもありますが、人通りはそれほど多くありません。市街地を通り抜ける多くの車両は、国道の南側、山裾を通過している、バイパスを利用されているのでしょう。

 静かな国道の道筋をしばらく進んで、大月二丁目の交差点を迎えます。ここで、街道は斜め左の方向へ。町中に残された、旧道に入ります。

 

※大月二丁目の交差点。ここを斜め左(写真の正面方向)へ。

 旧道は、路地裏のような通りです。家並みは、雑然とした様相ですが、舗装だけは石畳風に仕上げられ、街道の道筋を、示しているようにも思えます。

 

※町中を通る旧道。

 

 大月駅

 やがて、街道は、開けた場所に出て来ます。左を見ると、JRと富士急の大月駅。小さな駅舎ではありますが、駅前広場は、しっかりと、機能の整備が図られている様子です。

 駅の向こうは、小高い山が迫っています。その山裾には、笹子川を吸収した、桂川。街道は、この後しばらく、桂川の流れとともに、東へと向かうことになるのです。

 

大月駅前の様子。

 

 ちなみに、駅とは反対方向の、大月市中心部の、町の様子を紹介したいと思います。大月駅を背後に置いた町並みは、緩やかな上り坂。駅前のメイン通りが、南北に通っています。高層の建物は、ほとんどなくて、実に落ち着いた、空気感が漂います。

 国道のバイパスは、この道の突き当り。正面の山の麓を通っています。

 

駅前通りの様子。

 

 大月宿

 街道は、大月駅の駅前から、東に延びる小さな路地へ。まさしく、ここから、大月の宿場町に入ります。

 今は、駅前からすぐ傍の、路地裏の飲み屋街といった感じのところです。そんな、ありふれた表現が、よく似合う通りだと思います。

 

※大月宿。駅前広場からすぐのところです。

 

 大月宿

 大月宿は、直前の下花咲の宿場から、およそ2Kmのところです。この辺り、それほど距離を開けることなく、幾つかの宿場町が並んでいます。

 そのためか、大月の宿場には、本陣1,脇本陣2、問屋が1軒という具合。そして、旅籠は、わずかに2軒だったということです。

 

 飲食店が軒を連ねる、かつての宿場町の道筋を進んで行くと、やがて、落ち着いた住宅地に変わります。この辺り、道の流れや道幅は、街道の雰囲気を残してはいるものの、それ以外、宿場町の面影を感じるところはありません。

 

※落ち着いた雰囲気へと姿を変える大月宿。

 

 駒橋宿(こまはしじゅく)へ

 大月の宿場町は、おそらく、それほど長い距離ではなかったのだと思います。もしかして、住宅地へと移った辺りで、既に、宿場町は終わっていたのかも知れません。

 街道は、このすぐ先の、駒橋の宿場へと向かいます。

 

※駒橋宿に向かう街道。

 

 駒橋宿

 街道は、旧道を終え、一旦、国道20号線に入ります。そして、しばらく進むと、少し趣のある、何軒かの家屋などが現れます。道自体は国道のため、街道の雰囲気は弱まるものの、何となく、宿場町の面影が感じられるところです。

 おそらく、この辺りが駒橋の宿場だったところでしょう。先の宿場、大月宿から、わずか、1Kmほどのところです。

 

※駒橋宿の様子。

 

 資料によると、駒橋の宿場には、問屋が1軒、旅籠が4軒あったということで、本陣や脇本陣の記載はありません。ここも、先に通った幾つかの宿場町と同様に、複数の宿場が協力し合って、運営されていたのだと思います。

 この駒橋は、直前の大月宿と至近距離。これら2つの宿場町は、協力関係にあったとしても、不思議ではありません。

 

 街道はその先で、斜め左に延びて行く、旧道へと向かいます。

 

※国道から再び旧道に入った街道。

 旧道の入り口辺りは、駒橋宿の続きのような、趣あるところです。そして、その後わずかの間、国道下の静かな道を進みます。

 

 猿橋

 この先、街道は、猿橋の宿場へと向かいます。基本的には旧道を進むのですが、一瞬だけ、国道の歩道のような道を辿って、再び、国道下へと入ります。

 

※国道の側道を通っている旧道。この先で国道下へ。

 

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