旅素描~たびのスケッチ

気ままな旅のブログです。目に写る風景や歴史の跡を描ければと思います。

甲州道中

歩き旅のスケッチ[甲州道中]62・・・旅の終わり(最終回)

上諏訪宿から江戸日本橋 甲州道中と呼ばれる街道は、信州の上諏訪宿と江戸日本橋とを結ぶ道。途中、甲斐の国の中心地、甲府の城下を経由して、深い山あいの道を辿ります。相模の国に入っても、大方は山の中。武蔵の国との境には、街道きっての難所と言われる…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]61・・・日本橋へ

終着地へ いよいよ、五街道の結節点、江戸日本橋が迫ります。私たちの街道歩きも、今回で3回目。お馴染みの、日本橋の光景を、思い描いて進みます。 思えば、最初に歩いた中山道は、本郷から神田を通り、日本橋の北側へ。2回目の東海道は、新橋から銀座を…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]60・・・江戸城へ

新宿から半蔵門へ 都心に入った街道は、内藤新宿を過ぎた後、四谷から江戸城の半蔵門へと向かいます。広々とした道筋は、もう、往時の町や道の姿はありません。 近代的な都会の景色が続く道。やがて、江戸城の半蔵門を視野に入れると、突如として、その雰囲…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]59・・・新宿と内藤新宿

新宿区 街道は、渋谷から新宿へ。道幅はさらに広がり、高層ビルが並びます。 新宿は、新宿駅を境として、西新宿と東側の新宿の街に分かれます。西新宿は、都庁などの巨大なビルが林立し、副都心と呼ばれるところ。一方で、JR山手線を越えた先の新宿は、歌舞…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]58・・・新宿へ

都心へ 街道は、高井戸の宿場町を通り過ぎると、いよいよ都心に迫ります。”甲州街道”の愛称で親しまれている国道は、途中、首都高速の高架道路に覆われて、どこか薄暗い道筋ですが、副都心に近づくと、一気に空が開けます。 辺りの様子は大きく変わり、都庁…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]57・・・高井戸二宿へ

残された旧道 街道は、調布市から世田谷区に入った後で、杉並区、そして、渋谷区の北部地域をかすめるように東進します。宿場町は、上高井戸から下高井戸と渡りつないで、街道最後の宿場町、内藤新宿へと向かいます。 この街道のルートには、国道20号線を…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]56・・・布田五カ宿から高井戸へ

京王線 調布市に入った街道は、すぐ右奥(南側)を走る京王線と、肩を並べて進みます。京王線には、幾つもの駅があり、街道を歩きつなぐ者にとっては、大変便利な区間です。あと一駅、もう一駅と歩みを進め、一気に距離を稼ぎます。 調布の街を通り過ぎても…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]55・・・布田五カ宿へ

調布市 府中市の東隣は調布市です。そして、その先はもう、世田谷区に入ります。都心に迫る調布の街には、かつては、小さな宿場町が点在し、総称して、布田(ふだ)五カ宿と呼ばれています。 江戸時代のこの辺りの状況は、農地や荒れ地、雑木林などが広がっ…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]54・・・府中宿

府中の三宿 府中の街で頂いた資料には、府中の宿場に関しての、分かりやすい記事がありました。その内容を見てみると、府中宿には、3箇所の集落があり、それぞれの集落に、宿場が置かれていたということです。 その中で、最も古い集落は、本町と呼ばれてい…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]53・・・府中宿へ

府中 前回も触れた通り、府中の街は、かつて、武蔵の国の国府が置かれていたところです。この、府中の北は国分寺。また、府中市の近くには、一の宮と呼ばれるところもあるようです。この辺り、古い時代の地方の国の中心地。そのことを象徴する、建物などの名…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]52・・・日野の渡しと立川・国立

幾つかの都市を経て 日野宿の次の宿場は府中宿。今も、多摩川を挟んで隣り合う街ですが、街道は、日野市の先で、一旦、北隣りの立川市に入ります。そして、続く都市は国立市。東京の幾つかの都市を渡りつないで、府中市へと向かいます。 府中市は、かつては…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]51・・・日野宿

新撰組の故郷 日野の宿場を歩いていると、幾つかの、由緒ある建物が見られます。また、宿場に関する案内板も、ところどころに設置され、往時の様子が偲ばれます。 この日野の街中で目を引いたのが、”新選組”という文字でした。観光案内所が入っている、日野…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]50・・・日野宿へ

日野市 八王子の東隣は、日野市です。関西人にしてみれば、あまり名の通った都市ではないものの、日野自動車の社名については、多くの方が知る名前だと思います。トラックなどの車輌を手がけるこの企業。日野市に広がる台地状の丘陵地に、大きな敷地を有して…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]49・・・八王子宿

千人同心の町 江戸を守る西の要は、関東平野の隅に位置する八王子。甲州道中沿線にあり、地理的にも、重要な場所でした。秀吉から、江戸赴任を命じられた家康は、この地を拠点に、相模の国や甲斐の国との、国境の警護を強めます。 国境地域の治安維持と、街…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]48・・・八王子宿へ

八王子 東京都の西部に位置する八王子。人口は、50万人を有に超え、その存在感を誇っています。古くから、甲州道中の往来を監視する、重要な役割が与えられ、関東の西方の要として、発展してきたこの街は、今も、繁栄し続けているようです。 都心から、少…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]47・・・高尾の街

甲州道中の変遷 八王子観光コンベンション協会や、相模湖観光協会などが、共同で発行している、『甲州古道案内図』という、小さな資料。そこには、甲州道中の変遷が、簡潔に書かれています。 その内容は、「甲州古道は、江戸時代以前から地域の人々の生活や…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]46・・・駒木野宿へ

高尾 小仏の宿場を過ぎた後、街道は、高尾の街に向かいます。高尾と言えば高尾山。首都圏から多くの人が訪れる、観光の名所です。 東京の、西の端でありながら、北側の、檜原(ひのはら)や、奥多摩の渓谷が、甲州や秩父などの、奥深い山並みに迫っているの…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]45・・・峠から小仏宿へ

武蔵の国へ 街道は、いよいよ、武蔵の国に入ります。信州から、甲州を経て相模の国へ。そして、最後の国は武州です。この先、八王子、府中、高井戸など、よく耳にする名の通った街を経て、一歩ずつ、江戸の城下に近づきます。 江戸時代に整備された五街道。…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]44・・・小仏峠

峠道 相模の国の最後の宿場、小原宿(おばらじゅく)を過ぎた後、街道は、峠の道に向かいます。この先は、武蔵の国との国境、小仏峠が控えています。よく耳にするこの峠。時代劇でも時々描かれてきたように思います。また、司馬遼太郎の作品の、『街道をゆく…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]43・・・小原宿から小仏峠へ

本陣が残る宿場町 本陣は、重要な役職の人たちが宿泊する施設です。特に、参勤交代の制度によって、江戸と領地を往き来した大名たちは、この本陣で逗留するのが、習わしだったということです。 大名の往来時には、多くの家臣が従って、行列を作りながら、街…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]42・・・小原宿へ

ハイキングの拠点駅 JR中央本線相模湖駅には、朝から、多くのハイキング客が集います。どの人も、バックパックや登山靴など、その装備は万全です。駅前には、見る見るうちに、幾つものグループができあがり、それぞれのグループが、予定のルートを目指します…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]41・・・与瀬宿と相模湖

相模湖 神奈川県相模原市の北の端、藤野の地区には、相模川が堰き止められた、相模湖が佇みます。満々と水をたたえた相模湖は、様々な用途として、その役割を担い続けているのでしょう。重要な役割を持つこの湖も、首都圏に近いという地理的な条件と、風光明…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]40・・・吉野宿から与瀬宿へ

相模原市 相模の国の甲州道中。この国の街道の沿線は、ことごとく、相模原市の緑区に属しています。この地域、元々は、神奈川県の藤野町だったところです。平成の合併で、相模原市になりました。 深い山でありながら、多くの家が建ち並び、住みやすそうなと…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]39・・・関野宿から吉野宿へ

今年もよろしくお願いします。 年末年始の期間中、しばらく休憩させていただきました。この間、我が家も久々に家族が集い、てんやわんやの大騒ぎ。挙句の果ては、体調を崩してしまう始末です。 今日からは、ようやく体力も回復し、元の生活に戻ります。これ…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]38・・・関野宿へ

相模の国へ 信州から甲州を歩きつないで、甲州の最東端、上野原の宿場に着きました。甲州道中と言う名のとおり、甲斐の国を中心に、信州と江戸とを結ぶ、江戸時代の幹線道路。様々な表情を見せながら、旅人を誘います。 街道は、この先で、甲州を後にして、…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]37・・・鶴川宿から上野原宿へ

上野原駅辺り JR中央本線は、桂川*1が流れ下る、深い谷の斜面に沿って、その軌道が敷かれています。上野原の辺りでは、川沿いの平坦地は、やや広がった状態ですが、それでも、鉄道が通るところは、切り立った斜面のすぐ傍です。 上野原の駅を降り、甲州道…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]36・・・野田尻宿から鶴川宿へ

中央自動車道路 愛知県の小牧から、信州の諏訪湖の南をかすめながら甲州へ、そして、東京の高井戸へと向かう中央高速自動車道路。甲州道中の道筋は、上野原の市内では、この高速道路を、繰り返し渡りながら、相模の国を目指します。 街道は、或る時は、高速…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]35・・・犬目宿から野田尻宿へ

談合坂 甲州道中の道筋は、深い山の片隅に、静かに佇む犬目の宿場を過ぎた後、一気に下り道に変わります。長々と続く下り坂。この付近には、談合坂と呼ばれる地域があるようです。実際に、その名の坂があるのかどうかは分かりませんが、上野原の街へと下る坂…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]34・・・犬目宿へ

上野原市 街道は、大月市を過ぎた後、山梨県の東の端、上野原市に入ります。信州の富士見町を終えた後、甲州の北杜市に足を踏み入れた歩き旅。延々と辿りつないで、いよいよ、甲州の最後の地へと向かいます。 山の中の高台に、市の中心部がある上野原。桂川…

歩き旅のスケッチ[甲州道中]33・・・下鳥沢宿から峠の道へ

山里へ 甲州道中の難所といえば、既に通った笹子峠と、この先で、東京の高尾に向かう小仏峠が有名です。そして、この2か所に次ぐ難所の道が、ここからの先の道中です。 上鳥沢の宿場から、犬目の宿場に向かう街道は、深い山の中を辿る道。極端な峠道ではな…