旅素描~たびのスケッチ

気ままな旅のブログです。目に写る風景や歴史の跡を描ければと思います。

歩き旅のスケッチ[甲州道中]42・・・小原宿へ

 ハイキングの拠点駅

 

 JR中央本線相模湖駅には、朝から、多くのハイキング客が集います。どの人も、バックパックや登山靴など、その装備は万全です。駅前には、見る見るうちに、幾つものグループができあがり、それぞれのグループが、予定のルートを目指します。

 駅に置かれた資料棚には、何種類かのコースの地図がありました。相模湖の南に回り、石老山(せきろうさん)へと向かう道。或いは、北方向に進路をとって、東京都多摩方面との県境、陣馬山へと登る道。その他にも、高尾山や、私たちが目指している、小仏峠に向かうコースもありました。

 それぞれに、魅力がある道なのか。慣れた様子の旅人たちは、何度もこの、相模湖駅を訪れて、仲間と共に、目指すコースに挑み続けているのでしょう。

 

 

 相模湖駅から

 前回、相模湖駅で一区切りした歩き旅。翌月の、今年5月*1に、再び、相模湖駅に舞い戻り、与瀬の宿場のはずれから、この旅の再開です。

 まずは、街道が通過する、相模湖駅前交差点に戻ります。その先は、東へと舵を切り、相模の国の最後の宿場、小原宿(おばらじゅく)を目指します。

 

相模湖駅前交差点を東に向かいます。

 

 国道から旧道へ

 東に向かう街道は、主要道路の国道です。現在の”甲州街道”の愛称を持つ、国道20号線のこの道は、この先で、高尾の山を乗り越えて、八王子へと向かいます。

 街道は、少しだけ、国道の歩道を進んだ先で、左手の旧道へ。

 

※歩道橋のすぐ向こう側を左に折れた道が甲州道中です。

 旧道の入口には、「甲州古道」の標柱です。草に隠れて見にくいですが、その下には、「左 吉野宿 右 小原宿」と、前後の宿場の、道案内もありました。

 確かに、この脇道が、甲州道中の道筋だと安心し、国道を後にして、旧道を進みます。

 

※国道を左に折れたところにあった標柱。

 

 尾根道

 旧道に入った街道は、少しの間、新しい住宅地をすり抜けます。次第に、前方の緑が近づいて、住宅が途切れてくると、その先には、JR中央本線の軌道です。

 

※住宅地を通る旧道。

 

 街道は、軌道の手前を右方向に折れる道。その先を、道なりに進んで行くと、舗装された階段です。

 階段は、小さな尾根へと向かって行って、その先で、幅の狭い舗装道路に入ります。階段を、上り切ったところは、要注意。道なりに、右方向に進路をとると、国道に戻ってしまいます。ここは、鋭角に、左後ろの方向へ。さらに、尾根の上へと向かいます。

 

※尾根に向かう階段。

 少し急勾配の坂道は、蛇行しながら、続きます。道沿いは、敷地の広い住宅地。手入れされた庭木などを眺めながら、ゆっくりと進みます。

 やがて、小さな尾根を越えた後、その先は下り坂。今度は、一気に坂道を下ります。

 

※左、尾根の上り道。右、道は一気に下り坂へ。

 国道の横断

 急坂を下った先で、街道は、一旦、国道20号線と出合います。その先は、国道に分断された旧道が、左前方につながります。私たちは、この旧道へと向かうため、国道を横断です。

 街道は、もうしばらく、この旧道を進みます。道は、緩やかな下り坂。民家はまばらで、次第に、人気のない薮道に近づきます。

 

 

※一旦、国道20号線を横切り、再び旧道へ。高架道路は、相模湖東ICのランプ道。

 

 広場の横断

 おおよその、街道ルートを頭に入れて、道なりに進みます。確か、このまま、この道を歩いた先で、国道に出会うはず。疑問を持たず、ひたすら先を目指します。

 それでも、しばらくすると、少し様子が変わってきます。道は、次第に先細り、前面は、木々が覆っているようです。やがて、道は無くなって、行き止まりの状態に。

 慌てて地図を確認すると、少し手前で、方向を誤った様子です。よく見ると、『ちゃんと歩ける甲州街道』の資料には、「旧道を下り、左折して広場を横切る」と書かれています。

 そう言えば、旧道の途中には、そこそこ広い、土の広場がありました。街道は、その広場を横切って、向かいの国道へと向かうのです。

 私たちは、やむを得ず、今来た道を引き返し、広場まで戻ります。

 

※街道は、この広場を横切って、向こう側の国道に入ります。

 小原宿へ

 道のない、広場の敷地を横切ると、その先は国道です。街道は、国道と合流し、次第に小原の宿場に近づきます。道の先には、山が迫り、町並みも、落ち着いた雰囲気です。

 この辺り、緩やかにカーブを描く道筋や、道端の石碑など、往時の街道筋の面影を感じられるところです。

 

※小原宿に迫る街道。

 

 小原宿(おばらじゅく)

 街道は、やがて、小原の宿場に入ります。道沿いには、旅籠風の、歴史ある建物なども幾つか並び、宿場町の雰囲気が漂います。

 久々の、趣ある宿場町。甲州道中の宿場町では、貴重とも言える光景です。

 前の宿場の与瀬宿から、2キロ弱。与瀬宿と合同で運営された宿場町、小原宿に到着です。

 

※小原宿の様子。

 

*1:2022年5月