旅素描~たびのスケッチ

気ままな旅のブログです。目に写る風景や歴史の跡を描ければと思います。

2020-01-01から1年間の記事一覧

巡り旅のスケッチ(四国巡拝)3・・・讃岐路(86番→84番)

瀬戸内を望む 瀬戸内の志度湾と湾を挟んだ西側には、急峻な岩が突き出す八栗山の五剣山。さらに、西には半島状に連なる屋島の台地が見渡せます。 ここから3か寺は、瀬戸内に面した霊場です。潮風を受けながら、夏の遍路の旅を続けます。 86番志度寺 長尾…

巡り旅のスケッチ(四国巡拝)2・・・讃岐路(88番→87番)

讃岐路へ 弘法大師ゆかりの寺院を巡るとされる四国遍路。閏年の今年は、88番札所から逆方向に周ります*1。四国巡拝の最終番の札所は大窪寺。讃岐の山中に重厚な姿を潜ませます。 讃岐の国は弘法大師の出生地。空海という名で平安時代の初期を駆け抜けて、…

巡り旅のスケッチ(四国巡拝)1・・・四国遍路について

旅に出難い時節になって、私のブログも数か月途絶えることになりました。ようやく、僅かに外出が許される狭間を狙って、歩みの途中になっている東海道の陸行を少し東に進め、静岡市の中心部にある府中宿の西隣り、丸子(まりこ)の宿場に至ることができまし…

歩き旅のスケッチ(中山道シリーズの索引)

中山道の「歩き旅のスケッチ」は、2015年10月からおよそ3年半にわたって、少しずつ歩き刻んだ足跡を、気ままな記事で紹介してきたブログです。 本編は38回、総集編が12回。綴った記事は、都合50回に及びます。 こうなると、自分でも、どの回にどこの記…

歩き旅のスケッチ[中山道総集編]12・・・街道筋(後編)

街道筋の四季 街道筋の後半は、信州と上州の山々を望む景色が素晴らしく、見晴らしは最高です。特に、気候の良い春や秋には、峰の残雪と花々のコントラストや色とりどりに燃え上がる紅葉など、風景を愛でながら気持ちよく歩ける道筋です。 そんな街道も、江…

歩き旅のスケッチ[中山道総集編]11・・・街道筋(前編)

街道筋の風景 今回からは、中山道総集編の最後として、街道筋を振り返ります。中山道は、都から江戸日本橋まで、530Kmを超える道のりです。この長い道中で、宿場町や間の宿、峠道以外にも、心に残る風景は少なくはありません。 往時が偲ばれる街道筋や、雄大…

歩き旅のスケッチ[中山道総集編]10・・・間の宿(後編)

続、間の宿(あいのしゅく) 中山道の中間地点にほど近い、間の宿、原野(はらの)を越えると、街道は後半に入ります。宿場町をひとつずつ通過して、江戸日本橋を目指す中、まだ幾つかの間の宿がありました。 宿場と宿場の中間辺りに、休憩所として整備され…

歩き旅のスケッチ[中山道総集編]9・・・間の宿(前編)

間の宿 間の宿(あいのしゅく)は、宿場と宿場の間に設けられた休憩地。宿場間の道中が長い場合や、川を渡るための調整機能などとして、宿場に近い機能を持たせた町が必要だったということです。 中山道を歩くまで、この言葉自体、聞いたことはありません。…

歩き旅のスケッチ[中山道総集編]8・・・峠道(後編)

信濃路から上州へ 信濃路の峠道は、中山道きっての難所です。その中でも、最も厳しい峠道は和田峠。そして、続く難所のひとつが、信州と上州を隔てる碓氷峠です。 信濃路から幾つもの峠を乗り越えて、上州に辿り着いたら、もう江戸はそれほど遠くはありませ…

歩き旅のスケッチ[中山道総集編]7・・・峠道(中編)

木曽路へ 美濃路の後半は、厳しい峠道が続きます。そして、さらにその先は、「すべて山の中である」と語られる、木曽路です。 峠道は、険しい道ではあるものの、それぞれに趣がある山道です。往時の街道の面影が良く残り、中山道の醍醐味が味わえるところで…

歩き旅のスケッチ[中山道総集編]6・・・峠道(前編)

中山道の峠道(とうげみち) 中山道は、近江から美濃へと入り、木曽、信州を経て上州に向かいます。都を発って、美濃路の御嶽宿辺りまでは、平坦な道が多いものの、そこから先は、山道が中心です。ひとつひとつ、峠道を踏み越えて、進まなければなりません。…

歩き旅のスケッチ[中山道総集編]5・・・宿場町(後編)

様々な風景 中山道69次は、時代の変遷を経る中で、様々にその姿を変えながら、今日を迎えています。その中でも、往時の姿をよく残す宿場もあれば、新しい町に生まれ変わった宿場など、それこそ、千差万別です。 過去2回にわたって紹介してきたところは、…

歩き旅のスケッチ[中山道総集編]4・・・宿場町(中編)

風情が残る宿場町 中山道69次の宿場町の筆頭は、前回紹介した、妻籠宿と奈良井宿。宿場全体が、往時の姿をよく残し、江戸時代の光景を存分に味わえます。 次に紹介したいのは、これら2つの宿場に続く、風情が残る宿場町。再生され、修復された建物が、数…

歩き旅のスケッチ[中山道総集編]3・・・宿場町(前編)

中山道の宿場町 中山道は、69か所の宿場町をつなぐ街道です。その内、大津宿と草津宿は、東海道と重なるため、実質は、67宿。東海道53次と比較して、多くの宿場を擁しています。 宿場町の役割は、街道を往き来する人たちの宿泊地。それと同時に、荷物…

歩き旅のスケッチ[中山道総集編]2・・・馬籠と妻籠(後編)

峠道 馬籠と妻籠は、木曽路を代表する宿場町。そして、2つの宿場を結ぶ峠道は、かつての街道の風情を、色濃く残す区間です。 この趣き深い道筋は、海外の人達にも大人気。トレッキングの気分で、多くの人が訪れます。 馬籠峠へ 馬籠宿の展望台を後にして、…

歩き旅のスケッチ[中山道総集編]1・・・馬籠と妻籠(前編)

今回から、「歩き旅のスケッチ」に戻ります。これまで、38回にわたって紹介してきた中山道の街道歩き。その中で、唯一触れることのなかった、馬籠(まごめ)と妻籠(つまご)。中山道の最も人気の区間は、やはり、外すことはできません。総集編の出始めに…

出会い旅のスケッチ8・・・ジャック・ロンドン

ジャックロンドンの故郷 映画「野生の呼び声」が公開されました。この映画の原作者は、アメリカの作家、ジャック・ロンドン。20世紀の初頭に出版された、同名の小説の映画化です。 ジャック・ロンドンの故郷は、サンフランシスコ近郊の都市、オークランド。…

出会い旅のスケッチ7・・・リルーエットからバンクーバーへ

リルーエットを後に リルーエットでは、念願のミヤザキ・ハウスを訪れることができました。そして、地域の人達が、ドクター・ミヤザキに寄せる思いも、感じとることができました。 ドクター・ミヤザキの功績を後世に伝えるために、この施設は、これからも大…

出会い旅のスケッチ6・・・ドクター・ミヤザキ(後編)

出会いの後 カナダの奥深い山間の町に、今も残る、ミヤザキ・ハウス。地域の人々に愛され、親しまれてきたドクター・ミヤザキの足跡が、末永く後世に引き継がれていくことを願います。 それと同時に、遠い昔に海を渡り、想像もできない困難の中で生き抜かれ…

出会い旅のスケッチ5・・・ドクター・ミヤザキ(中編)

リルーエットにて バンクーバーから、およそ250Km。深い山の中に佇む小さな町、リルーエット。フレーザー川と、針葉樹が広がる山々の恵みを受けて、今も人々の息吹が広がります。 「私は、この町が大好きです」と、笑顔で話してくれたのは、町中のモーテルで…

出会い旅のスケッチ4・・・ドクター・ミヤザキ(前編)

リルーエットの風景 昨年6月*1、バンクーバーを訪れたとき、必ず行ってみたいところがありました。その土地の名前は、リルーエット。バンクーバーの北東に位置し、深い山間に佇む小さな町です。 この町は、20世紀の前半、苦学してカナダで医師となった、宮崎…

出会い旅のスケッチ3・・・小説「石狩川」の風景

トウベツへの想い 学生の頃、「石狩川」 という小説があることは、何かで学んだ気がします。それでも、これまで、その小説に出会ったことはなく、私の記憶からは、はるか彼方に消え去っていました。 ところが昨年の夏、ふとしたことで、この小説に出会うこと…

出会い旅のスケッチ2・・・網走オホーツク(後編)

オホーツク文化 これまで、北海道の歴史や文化について学んだことは、ほとんどありません。学校の歴史の授業でも、江戸期の松前藩の存在や、アイヌ民族の文化など、僅かに触れた程度です。 ましてや、道東のオホーツク海を臨む土地。どんな人が暮らし、どの…

出会い旅のスケッチ1・・・網走オホーツク(前編)

今回から、「出会い旅のスケッチ」です。誰かを想い、何かと巡り合いながら、その地でなければ得ることができない出会いの旅。 このシリーズも、これまでの「気まま旅」や「歩き旅」と同様に、見たまま、感じたままの、旅の様子をお伝えします。 厳寒のまち …

歩き旅のスケッチ38・・・中山道、江戸道中と日本橋

中山道の終着点へ 荒川を渡ると、日本橋はもう目前。ここ数日間、歩き続けた身体には、疲労感が漂うものの、逆に気持ちは軽くなり、最後の区間を楽しみます。 中山道の最後の宿場は板橋宿。そして、巣鴨や本郷を通過して、一気に都心に入っていきます。 板橋…

歩き旅のスケッチ37・・・中山道、鴻巣宿から東京へ

埼玉から東京へ 中山道は、鴻巣宿を過ぎた後、上尾、大宮、浦和という、埼玉県の中心部に向かいます。駅近くには、マンションやビルが立ち並び、近代的に整備された街並みが続きます。大型の商業施設や、公共的な施設なども目立ってくると、人の往来も頻繁で…

歩き旅のスケッチ36・・・中山道、深谷宿から鴻巣宿へ

利根川から荒川へ 埼玉の中山道は、利根川の河川敷近くを通過して、その後、荒川に出会います。熊谷宿から鴻巣宿(こうのすじゅく)までの間が、この荒川に最接近する区間です。後に、蕨宿(わらびじゅく)を出た後に、埼玉県戸田市から東京都北区に向けて、…

歩き旅のスケッチ35・・・中山道、本庄宿から深谷宿へ

関東平野を下る 利根川の河川伝いに広がる畑地を縫って、街道は続きます。本庄宿は、中山道の10番目の宿場町。いよいよ、残す宿場の数は一桁です。 埼玉の街道は、県内を横断するように延びていて、長丁場。変化に富んだ景色を楽しみながら、また、徐々に…

歩き旅のスケッチ34・・・中山道、倉賀野宿から本庄宿へ(後編)

武州の街道 街道は、いよいよ武蔵の国に入ります。これまで、幾つもの国を歩きつないで、最後が武州。埼玉県の上里町(かみさとまち)から、ほぼ、高崎線の沿線に沿って東京方面に向かいます。 道は、ところどころで、のどかな河畔沿いの農地を縫うように進…

歩き旅のスケッチ33・・・中山道、倉賀野宿から本庄宿へ(前編)

上州から武州へ 群馬の街道は、碓氷峠から始まって、山間の道を潜り抜け、関東平野に入っていきます。道筋は、碓氷川の流れに沿って下り続けて、高崎からは、烏川とともに下流に向かいます。 やがて視界はさらに広がり、街の様子も、住宅地と畑地を繰り返し…