旅素描~たびのスケッチ

気ままな旅のブログです。目に写る風景や歴史の跡を描ければと思います。

歩き旅のスケッチ34・・・中山道、倉賀野宿から本庄宿へ(後編)

    武州の街道

 

    街道は、いよいよ武蔵の国に入ります。これまで、幾つもの国を歩きつないで、最後が武州。埼玉県の上里町(かみさとまち)から、ほぼ、高崎線の沿線に沿って東京方面に向かいます。

 道は、ところどころで、のどかな河畔沿いの農地を縫うように進み、また、あるところでは、河川堤防や集落の中を延びていきます。さらに、住宅地や都市の中心地なども現れて、思いのほか、変化に富んだ街道筋です。

 

 

 神流川越え

    神流川(かんなかわ)は、烏川の支流でありながら、かなり大きな河川です。中山道は、元々、洪水などによる行程の遅れをできるだけ避けるように設定された街道ということですが、川渡を完全に逃れることはできません。

 これまでも、木曽三川*1千曲川*2、碓氷川*3、烏川*4などの大きな川を渡る必要がありました。

 そして今、神流川の柳瀬橋を越えて埼玉県の上里町へと入っていきます。

 

 本庄宿へ

 国道17号に架かる柳瀬橋を渡り切り、しばらくしてから、左手の旧道に向かいます。住宅や畑地を眺めながら、車があまり通らない、片側1車線の道路を歩き進みます。

 

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※国道から離れて、旧道が延びています。

 

 しばらくすると、左手に八幡神社がありました。金窪(地名表示は金久保になっています。)の八幡神社と記されていて、この付近の集落でお守りされている、地域の神社の様子です。

 

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※金窪の八幡神社

 

 街道は、その後、一旦国道17号を横切ります。そして今度は、国道の右手が旧道です。近くには、JR高崎線神保原駅(じんぼはら)駅があるようです。

 この辺り、主要な道路や鉄道は、南東方面に並ぶように続いています。そして、街道の北側は、利根川です。丁度、神流川が烏川に注ぎ込み、その烏川が利根川と合流した直後です。

 この利根川の向こうは、依然として群馬県。伊勢崎市方面です。

 街道が国道の右手に入っていくと、家並みは、新しい住宅地に変わっていきます。

 

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神保原駅近くの住宅地内を延びる街道。

 その後、再び、集落や畑地が混在する景色の中を進んで行くと、街道の右手に、こんもりとした小山が現れました。正面には朱塗りの鳥居も配置され、良く目立つ史跡です。案内板には、浅間山古墳(せんげんやまこふん)との表記がありました。

 

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浅間山古墳。

 

 街道は、次第に本庄宿に近づきます。道路沿いに住宅が立ち並び、本庄の市街地に入っていくと、中山道は道なりに進まず、少しだけ直進です。その後、国道462号に突き当り、右折します。

 

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※本庄宿の直前。道なりの右方向ではなく、細い道を直進します。

 

 この国道沿いの歩道には、中山道69次の各宿場名を記したタイルがはめ込まれ、一つずつ、宿場を確認しながら歩けるように工夫されています。

 これまで通ってきた宿場を懐かしみ、また、この先に控える宿場を思い描いて進みます。

 

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※国道の歩道に設置された中山道69次の宿場名が記されたタイル。

  国道の歩道は150mほど。その後、国道を左に渡って、先ほど来歩いてきた道に戻ります。国道を渡ったところ、すぐ左には、その一角が森のようになっていて、”かなさなじんじゃ”*5が鎮座されていました。

 

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※本庄宿の入口。左手は”かなさなじんじゃ”。

 

 10番本庄宿

 神社を過ぎると、いよいよ本庄の宿場です。

 本庄宿は、街並みが整備され、かつての宿場の面影はありません。片側1車線の道路は、車が行き交い、最早どこにでもあるような街の姿です。

 この宿場は、規模の大きな宿場だったようですが、今ではその様子もあまり感じることはできません。ただ、その一方で、ところどころにレンガ造りの建物が残っていて、明治期以降の当地の繁栄が偲ばれる道筋です。

 

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※旧本庄商業銀行跡。

 

 本庄宿は、新町宿から11Km。この日は、早朝に高崎宿を出て、倉賀野宿、新町宿と歩きつないで本庄宿に到達です。都合23Kmの長丁場。私たちにとっては、珍しく20Km超えの行程となりました。

 

 本庄の街

 本庄は、中山道から300mほど南に入ると、JR高崎線本庄駅があります。そして、本庄駅から2Kmほど南には、上越新幹線本庄早稲田駅です。

 元々は、中山道沿いに市街地は集中していたのでしょうが、今は、高崎線と新幹線の間に新しい市街地が広がっています。新幹線の駅名が本庄早稲田と言うだけあって、この駅の近くには、早稲田大学の関係施設があるようです。

*1:揖斐川長良川は、美濃路加納宿までに越えなければなりませんし、木曽川は、太田宿の直後に渡ります。

*2:信州の塩名田宿の直前です。

*3:板鼻宿の直前です。

*4:高崎宿の直前です。

*5:金鎖神社。鎖は、この字ではなく、つくりが”賛”となっています。