旅素描~たびのスケッチ

気ままな旅のブログです。目に写る風景や歴史の跡を描ければと思います。

歩き旅のスケッチ[北国街道]19・・・更埴へ

 戸倉上山田温泉

 

 千曲川左岸の河畔近くに出湯を有する戸倉上山田温泉は、多くの観光客が訪れる有名な温泉地。川伝いに築かれた緑地公園のはずれには、五木ひろしが歌っていた、「千曲川」の曲を奏でる歌碑なども置かれています。

 温泉の泉質は、宿によってやや異なっているようですが、私たちが利用した宿の湯は、白濁したエメラルドグリーンの神秘な湯。単純硫黄泉ということで、しっとりとした肌触りの名湯でした。

 この、戸倉上山田温泉は、「善光寺参りの精進落としの湯」として知りわたり、大変賑わってきたようです。特に、高度成長の時代には、温泉街の繁栄はピークに達し、様々な娯楽施設や宿などが賑わいの絶頂にあったと言われています。

 今は、その頃と比べると、随分と平穏な様子に感じます。静かに出湯を味わえる温泉地。そんな印象を受けるような場所でした。

 

※エメラルドグリーンの温泉。

 

 国道伝い

 本来の街道は、おそらく、国道の左手にある住宅地内を通っていたのだと思います。ただ、前回も触れたように、洪水の影響なのか、今はその先線が判然としていない状況です。

 従って、私たちは、国道18号線の道に沿って、街道歩きを続けます。この先の街道ルートは、下の地図のような状況で、戸倉町から北方向、かつての更埴市へと向かいます。

 

※かつての戸倉町から更埴市へと向かう街道ルート。

 

 国道をしばらく進むと、戸倉上山田温泉入口と表示された、T字路の交差点。ここを左に向かうと、温泉街になるようです。

 

戸倉上山田温泉入口の交差点。

 

 戸倉の町

 国道をさらに進むと、長野まで22kmと標示された道路標識がありました。この辺り、戸倉の町の中心地近くになるのでしょうか。道沿いは民家が並び、道の左右は、住宅地が広がっているようなところです。

 

※戸倉の町の中心地近くを通る国道。

 

 萱葺屋根の建物

 さらに国道を北へ北へと向かいます。やがて、左前方に、萱葺の勇壮な建物が現れました。あまりも大きな萱葺の建物は、屋根の部分が重そうで、不安定な感じです。

 この建物は何なのかと、不思議に思っていたところ、どうもお蕎麦屋さんみたいです。近づいて、その様子を確認します。

 

※勇壮な萱葺屋根の建物。

 

 年代を感じてしまう萱葺の屋根。屋根には苔が張り付いて、その古さを助長しているようにも見えました。ただ、入口はおしゃれな様子。暖簾がかかり、明るい感じの幟旗にも「そばプリン」との表示です。

 このお店、蕎麦屋さんか喫茶店かはわかりませんが、きっと、人気のお店なのだと思います。

 

※萱葺屋根が立派なお店の前を通ります。

 

 戸倉駅

 萱葺屋根のお店の前を通り過ぎたその先は、戸倉駅入口交差点。この交差点から右方向に、しなの鉄道線戸倉駅があるようです。

 駅前に設置された歓迎ゲートには、「戸倉上山田温泉」と記載された看板なども見て取れます。

 

戸倉駅入口交差点から戸倉駅を見渡します。

 今井交差点

 戸倉駅前交差点のその先で、今井の交差点に入ります。そして、そのすぐ先で、街道は、右前方の旧道へ。

 これまで、国道の左手を通っていたと思われる街道の道筋をそれ、国道伝いに歩き進んできましたが、ここからは、再び、本来の北国街道の道筋に戻れるという訳です。

 どのような道が待っているのか、楽しみにして足を運びます。

 

※今井の交差点。このすぐ先で右方向に進路を変えます。

 旧道

 旧道に入った街道は、落ち着いた雰囲気の民家などが並んでいます。道は、右から迫りくる山の尾根に向かって進み、その山に沿った道筋へと変わります。

 

※旧道に入った街道。

 

 この辺り、街道が通るルートは、千曲川から離れています。地形的には、山の裾野と河川敷との間には、ちょっとした盆地状の平地が開け、街道は、洪水の影響をあまり受けない場所を通っているのかも知れません。

 山裾の道の右手はしなの鉄道線の軌道も見られます。民家は飛び飛びで、農地なども見掛けられるところです。

 

※山裾に沿って街道は続きます。

 

 更埴市(こうしょくし)へ

 やがて、街道は、ひとつの集落に入ります。ゆったりと弧を描き、道は集落内をすり抜けます。

 

※集落に入った街道。

 

 集落の一角には、背の高い白壁の塀を配したお屋敷なども見られます。道幅は、街道筋そのものの様相で、趣が感じられるところです。

 街道は、この集落のはずれ辺りで、旧戸倉町の領域を過ぎ、旧更埴市の領域に入ります。

 

※背の高い白壁を配した塀を有するお屋敷。

 

 千曲駅

 旧更埴市に入った街道は、しばらく、新しい住宅地を通ります。下の写真の辺りの右側には、しなの鉄道線千曲駅が見えました。この千曲駅、まだ新しそうな駅舎です。もしかして、駅自体、最近設けられた新しい駅なのかも知れません。

 

千曲駅付近にある新しい住宅地。