カナダ西部へ
今回から5回にわたって、カナダの気まま旅のスケッチをお届けします。
この夏*1、短期滞在していたカリフォルニア州アラメダから、飛行機でわずか2時間、カナダ西海岸の大都市バンクーバーへ。そして、カナディアンロッキーを望む街カルガリーと、ロッキーマウンテンへのドライブです。
バンクーバーに到着
6月下旬、カリフォルニア州アラメダから、バスとバート*2を乗り継いで、サンフランシスコ国際空港に向かいました。そこから、カナダの航空会社、ウエスト・ジェット1775便でバンクーバーへ。わずか2時間のフライトです。
バンクーバー国際空港に到着したのは午後6時。機外に出て、入国手続きに向かう通路には、早くも、カナダ先住民の文化などを紹介する展示スペースがありました。バンクーバーはカナダのひとつの玄関口。国の誇りを発信されているのでしょう。
入国審査は電子化が進んでいるようで、端末*3にパスポートの読み取りや必要事項の入力をするだけで、ほぼ審査は終了です。最後に、係の方が、滞在日数や行先など、簡単な質問をされて完了です。本当にスムーズに入国することができました。*4
※入国ゲートを出ると、大きなモニュメントが出迎えです。
バンクーバーでは、最初、Coast Vancouver Airport Hotelに宿泊しました。エアポートホテルとはいうものの、空港からは車で15分ほどかかります。
空港建物を出て、正面の駐車場ビルとの間にあるバス待機所で、しばらくホテルの送迎バスを待つことに。バスは、ホテルごとに次から次へとやってきます。私たちが乗るバスも、ほどなく到着。早速、ホテルに向かいました。*5
ホテルとその周辺
宿泊したホテルは、街の中心部から少し離れたところです。街中までは距離があるものの、かえって日常の様子を少し垣間見ることができました。
ホテル周辺は、住宅地になっていて、落ち着いた環境です。夕食をとるため、付近を散策していると、家並みの中に、小さなレストランや数件のお店が並ぶ一角がありました。偶然、夕食に入ったレストランは日本のお店。日本語で話しかけられて本当に驚きました。お店の名前は、Cafe de I'Orangerie 。サーモンフライは最高でした。
※Cafe de l'Orangerie。
バンクーバー市街へ
翌朝、私たちは、バンクーバーの市内観光に出かけました。まずは、ホテルからスカイトレインの駅を目指します。マリーン・ドライブという名の道路を北東方向におよそ1Km、少し上り坂の道ですが、朝の気持ち良い散歩です。
途中、ファミリーレストランで朝食をとり、スカイトレインのマリーン・ドライブ駅へ。駅は、お店が並ぶ建物の2階にありました。
※左、マリーンド・ライブ駅。右、スカイトレイン。
スカイトレインは、空港とも連結されていて、便利な交通手段です。車内は新しく清潔で、駅も含めて治安は行き届いています。ただ、3路線ほどしかなく、小回りはききません。大雑把な移動に適しているように感じました。細かな移動には、何と言ってもバスが便利です。
駅では、自動券売機で「コンパスカード(Compass Card)」の1日券*6を購入しました。紙製の磁気カードで、改札機械にワンタッチするだけで乗り降り可能です。このカードは、スカイトレインだけでなく、バスにも利用できるので、本当に安くて便利なチケットでした。
※コンパスカード。
雨のバンクーバー
私たちは、マリーン・ドライブ駅から、スカイトレインでバンクーバー観光の中心地、ウオーターフロント駅に向かいました。乗車時間は20分ほどです。
ウオーターフロント駅のホームは地下にあります。階段で地上に上がると、雨模様。季節は夏ですが、雨は冷たく、肌寒い気温です。
少し海に向かって歩くと、そこはカナダ・プレイスです。帆船の帆を広げたような白い屋根が特徴で、湾に向かって延びる桟橋に、巨大な船が横付けされているような感覚です。
カナダ・プレイスは、もともとバンクーバー万博のパビリオンだったとのこと。今は、ホテルや会議場などになっています。
湾を挟んだ対岸には、ノース・バンクーバーの街が見渡せます。針葉樹林の山裾に広がる街並みは、自然に包まれた、カナダ独特の風景です。
反対に、ここから南の方向には、高層ビルが林立しています。バンクーバーのダウンタウンにあたる場所で、シティー・センター駅を中心に、大変賑わう界隈です。
※左、カナダ・プレイス。右、ダウンタウン。
ギャスタウン
カナダ・プレイスから南東に向かってしばらく歩くと、左方向に、街路樹のある賑やかな通りが見えてきました。ギャスタウンと呼ばれるこの通りには、多くの観光客が押し寄せています。通りには土産物店やブティック、レストランなど、様々なお店がひしめき合い、人々は思い思いにショッピングを楽しんでいます。店構えは、歴史を感じる建物で、バンクーバーの故郷のような趣です。
※ギャスタウンの風景。
パウエル通り
ギャスタウンを抜けると、道端に、ギャッシー・ジャックの像がありました。この街にゆかりがある人のようですが、詳しくはわかりません。
この像から東がパウエル通りです。パウエルは、元々、日本からの移民の方たちが集まっていた通りです。おそらく、20世紀の前半には、日本人やその二世達が経営する、店や会社などで大賑わいだったことでしょう。
バンクーバーで力を発揮した、野球の朝日軍(バンクーバー朝日)も、この通りの人たちが中心になって運営されていたようです。
今はもう、そうした日本人町の面影は見ることはできません。少なくとも私には、その名残すら、見かけることはできませんでした。ただ、その昔、何十日もかけて太平洋を渡り、異国の地で血の滲むような努力をし、生計をたててこられた先人の姿を想うとき、何とも言えない感慨が押し寄せてくるのを抑えることができませんでした。
※左、ギャッシー・ジャック像。右、パウエル通り。
次回は、パウエル通りからチャイナタウンへ、そして、ダウンタウンに向かいます。さらに、イングリッシュベイやクイーン・エリザベス公園など、中心地から少し離れた観光地へも足を延ばします。