バンクーバーの街と人
バンクーバーは見どころが満載です。とても1日では回り切れない広さですが、スカイトレインとバスを駆使して、街の中を巡り歩きました。
途中、ウオーターフロント駅で、スカイトレインの路線が分からず迷っていると、「お困りですか?」と、優しく声をかけてくれる女性が。その方は、私たちに手持ちの地図を渡してくれただけでなく、最寄りの駅が同じだったので、そこまで案内してくれました。
見知らぬ土地での親切心に、心が和んだひと時でした。
パウエル通りからチャイナタウンへ
かつて、日本から移民した人たちが多く暮らしていたパウエル通りを右折して、今度は、チャイナタウンに向かいました。2~3ブロックも歩けばチャイナタウンですが、その途中は少し異様な空気が漂っていました。
バンクーバーは、全体的にホームレスは多くはありません。ただ、ウオーターフロント駅の近くなどでは、単独のこうした人たちが、小銭を求めて行き交う人に声をかける姿を見かけます。このような光景は、アメリカではごく普通なので、驚くことではありません。
ところが、パウエル通りからチャイナタウンの間は、少し様子が異なります。道端で座り込んでいる人、蛇行しながら歩く人、数人がたむろしている姿などが目立ちます。
少し空気が違うと感じながらも先に向かうと、今度は、引き返すのにも勇気が必要です。こうした場所は要注意、私たちは足早に通り抜けていきました。
そんな訳で、チャイナタウンは、遠巻きからその雰囲気だけを見届けて、ウオーターフロント駅に戻ることにしました。
途中、それとわかる中国風のゲートなどもあり、中国系住民の力強さを感じます。
※チャイナタウンの一角
ロブソン通り
ウオーターフロント駅からは、親切な女性の案内で、カナダ・ラインのスカイトレインに乗り、シティー・センター駅で降車。ダウンタウンのロブソン通りに向かいました。この辺りは、高層ビルが林立し、色々な店がひしめき合っています。歩道には、たくさんの買い物客が道を行き交い、大都会の様相です。
近代的なビルが立ち並ぶ一角には、美術館などの歴史的な建物も見られます。新旧の建築物が混在しつつ、しかも違和感なく融合しています。
※ダウンタウン の風景。
イングリッシュ・ベイ
ダウンタウンを少し歩いて、私たちは次に、バンクーバー中心部の西にある、イングリッシュ・ベイに向かいました。
ガイドブックでバスの番号が5番であることを確認。5番が表示されたバス停留所で待つと、すぐにそのバスがやってきました。バスは、前から乗車して、専用パネルにコンパスカードをタッチするだけ。簡単で、とても便利な乗り物です。
イングリッシュ・ベイまでは、20分ほどの乗車です。途中、街並みは少しずつ姿を変えながらも、しかし、どこも賑やかな様子です。また、すし店などの日本料理レストランの看板が、意外と多いのにも驚きです。
私たちは、デンマン通りでバスを降り、イングリッシュ・ベイに向かいました。デンマン通りは並木道で、ファスト・フード店や果物店などが並び、住宅地近くの商店街といった雰囲気です。
※左、デンマン通り。右、小公園の笑う銅像。
イングリッシュ・ベイは、バンクーバーの西側、入り江のようになっているところです。海岸は砂浜が広がり、散歩を楽しむ人たちや、日光浴を求める人々で賑わっていました。また、野生の鳥と戯れるお年寄りたちの姿も目立ちます。
海岸近くには、小さな公園があり、そこには10体ほどの笑う銅像*1が。コミカルなその姿は、観光客の目を引き付けます。
海岸を北方向に歩いて行くと、スタンレー公園という、森のような大きな公園に。反対に、南に進むと、イヌクシュクの石像が建っています。この像は、元々は、先住民の手によるもので、見方によれば日本の鳥居のようにも見えなくはありません。何とも不思議なモニュメントです。
※左、イングリッシュ・ベイから北方面を望む。右、イヌクシュクの像。
イングリッシュ・ベイに名残を惜しみながら、私たちは、バスとスカイトレインを乗り継いで、次の目的地、クイーン・エリザベス公園に向かいました。
クイーン・エリザベス公園
スカイトレインのキングエドワード駅で降車。キャンビー通りを南方向に歩くと、左手に樹木の茂った小高い丘が見えてきます。この丘がクイーン・エリザベス公園です。芝生と木々の茂る森の中へ入り、坂道を上って行くとドーム状の建物が。中は温室の植物園となっています。
公園の頂上からは、バンクーバーの市街地を見渡すことができます。園内には、庭園などもあり、地元の方たちだけではなく、観光客の姿も見受けられました。
※左、公園の入口。中、公園頂上からバンクーバーの市街地を望む。右、庭園。
買い物など
カナダでの買い物は、ほぼ全てのお店などでクレジットカードが使えます。私たちは、現金が必要な場合に備えて、ホテルのATMでデビットカードから少しだけ現金化して持ち歩くことにしました。ATMは、空港などにもあり、簡単にカナダドルを入手することができます。
買い物で大きな問題は、ビールなどの酒類です。ホテルでゆっくりたしなむビール。これが無くてはいけません。ところが、カナダでは、一般のスーパーなどでは酒類は入手できません。リカーと呼ばれる酒屋さんを探して手に入れなければならないのです。しかも、休日は休みのお店もあり、酒屋を探すのに一苦労。酒好きの私には、何とも不便な環境でした。
次の行程
私たちは、次にバンクーバーから郊外に向かい、ウイスラーなどのリゾート地やリルーエットという山間の町などを訪れました。この間の旅のスケッチは、また、後の機会にお届けします。
次回は、バンクーバーから飛行機で1時間。冬季オリンピックの街、カルガリーです。残雪をいただいたロッキーマウンテンを越えて、カナダ西部の内陸へと向かいました。
*1:A-maze-ing-Laughterと呼ばれているようです。