旅素描~たびのスケッチ

気ままな旅のブログです。目に写る風景や歴史の跡を描ければと思います。

歩き旅のスケッチ[日光道中]11・・・杉戸宿へ

 杉戸町

 

 春日部市の隣町は、杉戸宿がある杉戸町。街並みは、次第に都市の景色は遠ざかり、静かな、落ち着いた風景に変わります。この町は、南には春日部市、北側は幸手市(さってし)に隣接し、農地なども広がります。

 杉戸町の中心地辺りの最寄りの駅は、西隣の宮代町にある、東部動物公園駅。東部伊勢崎線と東部日光線が合流する、利便性の良い駅です。

 これまでは、名前すら知らなかった埼玉県東部の町を、南から北へと縦断します。

 

 

 杉戸町

 追分の道標を左に進んだ街道は、その先で、国道4号線に入ります。ここからは、しばらくの間、国道の幹線道路を進みます。

 

※小渕交差点。

 

 この辺り、春日部市の小渕という地域のようで、交差点の名前とか小学校も、この名前を冠しています。

 道沿いは、高層の建物は見られません。空が開けた、平地の景色が続きます。

 

※小渕小入口付近。

 

 杉戸町

 すがすがしい青空の下、国道の歩道に沿って北上すると、やがて、杉戸町を示す標識です。

 ここからは、春日部市に別れを告げて、杉戸の町を歩きます。

 

杉戸町に入った街道。

 

 旧道へ

 街道は、国道4号線の歩道伝いに続きます。沿線は、住宅と事業所などが点在している地域です。広々とした空間が、どこまでも広がります。

 

杉戸町の本郷北交差点。

 

 やがて、国道の道筋が真っ直ぐに延びる中、斜め左に枝分かれする旧道が現れます。この旧道、登校の時間帯には車などは入れないのか、時間指定が併記された、歩行者専用標識がありました。

 街道は、この旧道に入ります。

 

※この位置で、左方向の旧道に入ります。

 

 堤根

 旧道に入った街道は、古くからの集落のような道筋です。この辺り、杉戸町の堤根(つつみね)というところ。穏やかな雰囲気の中、道は、緩やかに弧を描きながら続いています。

 集落内の道幅は、それほど狭くは感じませんが、登校時には、車は走ることはできません。私が住まいしている地域では、あまり見たことがない、このような交通規制。地元の人たちが、子どもたちの安全を最優先にされている証なのだと思います。

 

※堤根の集落内を通る街道。

 

 道沿いは、この先も、木造の住宅が並びます。小さな祠なども目にとまり、集落の歴史を感じます。街道は、古くからの道の流れを受け継ぎながら、今は、地域の方々の生活道路の位置付けとして、重要な役割を果たしているようです。

 

※蛇行しながら続く街道。

 

 国道

 旧道は、その先で国道につながります。そこからの沿道は、相変らず、住宅がまばらに散らばって、ところどころに事業所や小さなお店が点在している状況です。

 

※杉戸宿方面に向かう国道筋。

 

 国道をしばらく進むと、これまでも確認してきた、距離表示がありました。国道4号線の位置としては、丁度、東京から40キロの地点です。

 この先は、今目指している、杉戸宿の次の宿場が置かれていた、幸手(さって)まで、9キロという案内も貼られています。

 少しずつ、積み重ねる道のりは、日光が着実に近づいてきた証拠です。およそ140キロの街道も、残すところ、100キロを切ってきた計算です。 

 

杉戸町内の国道。東京から40キロ地点です。

 杉戸宿へ

 国道は、この先で、右に大きくそれる中、再び、左方向に旧道が現れます。

 道路上に掲げられた標識は、旧道の方向が、「東部動物公園駅」との表示です。冒頭でも触れたように、この先にある、杉戸町の中心部の最寄りの駅がこの駅で、中心部から、南西の方向に数百メートル進んだところに位置しています。

 街道は、この旧道の方向へ。いよいよ、杉戸の宿場が迫ります。

 

※右のそれる国道を離れ、左先の旧道に入ります。

 旧道

 旧道に入ったところには、「杉戸宿」の標柱と、「みなみがわ散策道路案内図」と記された、絵地図などが置かれています。

 この絵地図、実は、街道や宿場の案内ではありません。町中の散策路として、地域の人に親しまれている道なのだと思います。

 そして、宿場町も、ここからではなく、もう少し先のはず。整然と整備された、旧道の道筋を、もう少し進みます。

 

 

 旧道の道沿いは、静かな住宅地が続きます。車の往来も少なくて、心地良く歩けるところです。

 しばらくすると、民家の敷地のような生け垣から、案内板がのぞいています。記載を読むと、ここにはかつて、「三本木一里塚」があったそう。

 元々は、縦横9メートルの塚があり、榎木が植えられていたとのことですが、道路の整備によって、明治の中頃に取り壊されたということです。

 

※よく整備された旧道と生け垣から顔をのぞかせている案内板(柿の木の下)。

 

 杉戸宿

 相変わらず、静かな住宅地が続く道沿いを進んでいくと、幾つかの、コンクリートの建物が見えました。標識を見てみると、右奥に杉戸町役場があるようです。

 この辺りから、杉戸町の中心部になるのでしょう。おそらく、もう、かつての杉戸の宿場町に入っているのかも知れません。

 どこまでも澄んだ青空の下、宿場町の街道を進みます。

 

杉戸町役場近くの街道。