旅素描~たびのスケッチ

気ままな旅のブログです。目に写る風景や歴史の跡を描ければと思います。

歩き旅のスケッチ[東海道]91・・・箱根湯本へ

 箱根の里

 

 箱根の山の玄関口は、西は三島の初音ケ原の杉並木。反対の東側は、箱根観光の基地である、箱根湯本の温泉町といえるでしょう。この間、およそ25キロの道のりは、三島宿と小田原宿をつないでいる、箱根八里(32キロ)の行程の、最も険しい区間です。

 畑宿の集落を出た後は、厳しい道の、最後の下り坂を迎えます。あと一息、箱根の里の温泉地として有名な、箱根の東の玄関口、箱根湯本を目指します。

 

 

 須雲川へ

 畑宿は、本陣跡を過ぎた先で、集落が途切れます。街道は、集落はずれのところから、右側の旧道へ。古くからの道筋は、細くて木々に覆われた、山道のようなところですです。

 

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※旧道の様子。

 

 街道は、旧道と県道を、交互に繰り返すようにして、麓の里へと向かいます。途中には、割石坂と表示された坂道があり、そこを抜け出たところの県道からは、朱塗りの鳥居が目に入ります。

 鳥居のところに行き着くと、その右下に、神社のような建物が見えました。

 この神社、箱根聖天稲荷大権現神社というようです。地図を見ると、神社へと向かう道と、そのまま県道を進む道があるようですが、私たちは、右下の神社がある方向に向かいます。

 分かれ道のところには、箱根旧街道の目印があったように思うのですが、写真がないため、今となっては、道案内の所在は不明です。

 

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※ 箱根聖天稲荷大権現神社の鳥居が右側に見えます。

 

 鳥居を過ぎた街道は、舗装された下り道。途中で、稲荷神社でお参りをするつもりでしたが、そこへ通じる道が分からず仕舞い。結局、神社を回り込むような格好で、須雲川の河原に下り立ちました。

 この先は、せせらぎを、簡単な板の橋で渡るところや、森の中の自然道がしばらく続く、自然遊歩道のようなところです。

 

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※木々に覆われた街道や、須雲川のせせらぎを越えて進みます。

 

 須雲川IC

 やがて街道は、再び県道に戻ります。その後、舗装道を下っていくと、箱根新道の須雲川インターへの案内表示が現れます。

 箱根峠の先のところで、国道からそれた箱根新道有料道路。東海道の旧道伝いに箱根の山を下りながら、旧道と、時に顔を合わせるようにして、一気に小田原へと向かうのです。

 旧東海道と箱根新道が通るルートは、先ほどの、須雲川が形成した谷に沿って下っています。一方、箱根駅伝で有名な国道1号線が通るルートは、早川の谷伝い。2つのルートは、箱根の山の険しい尾根で分断されているのです。

 

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※箱根新道須雲川IC近く。

 

 近づく里

 須雲川のインターへの分かれ道を過ぎた後、街道は、次第に里の景色に変わります。坂道が、緩やかに下っていったところには、天聖院(てんせいいん)と表示された、派手なお寺が現れました。

 あまりにも鮮やかな色彩の山門や本殿などは、私たちの感覚では、少し引いてしまうような容姿です。

 

 やがて、旅館などの看板も、目立ち始めてくる辺りには、温泉宿の看板や、建物の姿も目に留まります。

 

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※次第に里の雰囲気に。

 

 旧道へ

 県道を下っていくと、右上に、箱根新道の高架道路も目に入ります。随分と標高が下がってきた雰囲気で、空が次第に開けてきます。

 途中、左手には、「福寿院」の案内柱。そして、その傍に、箱根旧街道の入口の案内板もありました。街道は、ここからしばらく、旧道を進みます。

 

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※旧道への入口。

 箱根旧街道

 旧道の入口ある案内板には、「江戸幕府は1680年に箱根旧街道に石を敷き舗装をした。この先から役255メートルはその面影を残しており国の史跡に指定されている。」と記しています。

 記載の通り、ここからの街道は、石畳の細い道。急な坂道を下った先で、上り道も現れるというような、谷沿いの山裾を辿るような道筋です。

 

 箱根湯本
 この旧街道の道沿いは、既に、箱根湯本の里に入った雰囲気です。街道を進むにつれて、宿やお店の建物などが目立ってきます。

 街道の左下には、須雲川の右岸道。その道沿いには、食堂の看板も見られます。

 旧道は、石畳の坂道を少し上って、その先で県道に合流です。そこからは、町並みは一気に変わり、住宅や観光施設が連なります。ただ、県道沿いには、大型の旅館などはありません。有名な温泉地の旅館街は、この道の左奥。須雲川と早川が合流する辺りの川沿いです。

 県道沿いの道伝いには、かつては、宿場のような町並みがあったような感じです。地名も、中宿とか下宿とかと呼ばれる地域があるようで、間の宿だったのだと思います。

 

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※県道に合流した街道。

 

 静かな箱根湯本の県道伝いを進んで行くと、左手には、早雲寺の山門が見えました。その名称から、北条早雲に由来するお寺でしょうか。木立に囲まれ、ひっそりと佇みます。

 

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※早雲寺山門。

 街道は、次第に緩やかな坂道となり、賑やかな空気感が漂う場所に近づきます。下宿と表示されたバス停を越えた先では、観光客の姿も見られます。

 

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※下宿の町。

 

 下宿を過ぎた先には、須雲川と合流した、早川です。早川に架かる三枚橋を渡っていると、左先には、よくテレビにも登場する、箱根登山鉄道の、箱根湯本の特徴ある駅舎が望めます。

 有名な、箱根観光の拠点の地、箱根湯本の市街地を避けるように、街道は、早川の流れに沿って、小田原の宿場へと向かいます。

 

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※早川に架かる三枚橋