サンディエゴ
アメリカ西海岸、カリフォルニア州最南部の都市サンディエゴ。太陽がふり注ぎ、砂浜の海岸が続くリゾート地というイメージを抱いてやってきました。実際、街には南国の木々が風に揺れ、港には無数のヨットが停泊しています。
サンディエゴはまた、メキシコの国境に近い街。ラテンアメリカの文化がより強く感じられる街でもあります。
私たちは、ダウンタウンやオールドタウン、そして、メキシコとの国境の町を訪れ、色々な顔を持つサンディエゴの姿を知ることができました。*1
※左、サンディエゴ湾に横付けされたスター・オブ・インディアの帆船。右、街の様子。
サンディエゴの交通機関
サンディエゴの街の中心部やその近郊を巡るには、公共交通機関が便利です。特にMTSが運営するバスとトロリー(路面電車)は利用価値が絶大で、私たちの行動範囲を思う存分広げてくれました。
後で紹介するトロリー駅にはチケットの自動販売機が設置されていて、通常の切符の他に、バスとトロリー共通の1日券や2日券などを購入することができます。私たちは、1人9ドルの2日券カードを手に入れてサンディエゴの街や郊外を行き来しました。*2
空港からダウンタウンへはバスを利用します。空港ビル前に992番を表示したバス停があり、その番号のバスに乗れば、迷うことなくダウンタウンに向かうことができます。*3
バスは、空港を出ると直ぐにサンディエゴ湾に沿った道に出て、湾の景色を右に見ながら進んでいきます。やがて、岸壁に横付けにされたスター・オブ・インディアの帆船が見えたら、次の交差点を左折。ほどなくダウンタウンの入り口、アムトラック*4のサンタ・フェ・デポ駅近くに到着です。この間およそ15分。サンディエゴの街は思いのほか空港のすぐ近くにありました。
※左、サンディエゴ空港のMTSバス停留所。右、サンタ・フェ・デポ駅。線路はアムトラックで、その左に見えるのがトロリー。
リゾート地コロナド経由、国境の町サンイシドロへ
私たちはダウンタウン近くのホテルに宿泊し、翌日、サンディエゴの西に突き出たコロナドの半島に向かいました。
まず、最寄りのトロリー駅でMTSの2日券を購入。トロリーで僅か1駅のサンタ・フェ・デポ駅へ。そこから今度は徒歩でフロント・ストリートのバス停に向かい、75番のバスに乗り込みます。バスは、サンディエゴの中心部を周回してベイブリッジに。湾をまたぐ橋からはサンディエゴの街が一望できます。*5
コロナドでは、ホテル・デル・コロナドで下車。この辺りの街は、土産物店やレストランなどが軒を連ねて、リゾート地の雰囲気を漂わせていました。一方、ホテルは豪華絢爛。裏庭は太平洋に広がるビーチと一体になった施設が配置され、南国の休養地の様相です。サンディエゴの一つの顔を見ることができました。
※ホテル・デル・コロナドからの風景
次に、私たちは再び75番のバスに乗り、砂浜の海岸に沿ってコロナド半島を南下しました。30分ほどすると半島は終わり、バスの終着点、パーム・シティに到着です。
ここでトロリーに乗り換え、国境の町サンイシドロへ。途中、進行方向の右側の丘には、メキシコの街ティファナが見えてきました。
※奥の丘に広がる街がメキシコのティファナ。国境の壁も見える。
サンイシドロ
サンイシドロ駅はパーム・シティの駅からわずか3つ目、15分ほどの乗車です。駅を降りると、乗客の多くは一目散に歩道を南方向に進んでいきます。私たちもその流れに乗って歩いていくと、そこはメキシコに入国する通路になっていました。
さり気なく国境を行き来する人たちの姿を見ていると、国境の壁問題の深刻さはそれほど感じることがありません。ただ、この付近は大規模な工事が進められており、国境警備の厳重化が進んでいることを感じることができました。
駅付近では両替所があちこちに店を出し、スペイン語の会話が飛び交います。人々はどことなく忙しそうで、国境の町の日常を垣間見ることができました。
※左、トロリーのサンイシドロ駅。右、メキシコ国境につながる通路。
サンディエゴへ
国境の町サンイシドロからサンディエゴへは、一気にトロリーで戻ります。時間にして30分ほど。あまりの近さに驚きです。
サンディエゴは12th&Imperial駅で下車。3つあるトロリールートのブルーラインからグリーンラインに乗り換えて街中に向かいました。
サンディエゴの街の様子は次回にお伝えします。
トロリーのルートは3本あります。1つは、12th&Imperial駅からサンタ・フェ・デポ駅を通って北あるいは北東方面に延びるグリーンライン。2つ目がサンタ・フェ・デポ駅のすぐ東から街中を迂回して12th&Imperial駅を通りサンイシドロ駅に向かうブルーライン。最後に、ブルーラインと並行してサンタ・フェ・デポ駅のすぐ東から街中を迂回して12th&Imperial駅に達し、そこからさらに東へと向かうオレンジラインです。
駅は基本的には迷うことはありませんが、3つのルートが重なる12th&Imperial駅は要注意です。乗り継ぐときには、次にどのラインに乗るのかをしっかり確かめないと間違えてしまいます。
なお、トロリーの駅には改札口がなく、誰でも乗り降り自由な雰囲気です。ただ、主要な駅には無賃乗車を取り締まる警官が目を光らせていますし、突然、駅から係員が乗り込んできて、検札を行います。乗り降り自由と思って切符を持たずに乗ってしまうと、きっと大変な結末が待っていることでしょう。また、各駅には、カードをタップする機械が設置されています。コンパスカードを常に有効にしておくためにタップが必要とのことですが、詳細はよくわかりません。とりあえず、乗車するときはタップをするように心がけました。