グランドキャニオン国立公園サウスリム
ラスベガスを出発してから2日目、ようやくグランドキャニオン国立公園に到着です。サウスリムと呼ばれるこの区域は渓谷の南端に位置し、数十キロにわたってビューポイントが続いています。
途中にはビジターセンターなども設けられ、世界中からたくさんの観光客が押し寄せていました。
※グランドキャニオン(マザーポイント付近から)
デザート・ビュー
グランドキャニオンで最初に訪れたのはデザート・ビューです。公園の東ゲートからすぐのところにあり、大きな駐車場も準備されています。
車をとめビューポイントに向かって歩いて行くと、茶色い石造りの塔のような展望所、ウオッチタワーが見えてきます。そして、グランドキャニオンの南東側を一望する絶景。深く沈み込む渓谷と露出した地層の絶壁が目に飛び込んできます。
削り取られた断崖の底には川が流れ、まさに水の流れがこのような地形の創造に深く関わっていることを実感します。
デザート・ビューから東方向を見渡すと、深い渓谷の向こうには広大な平原が広がっています。しかし、地平に広がる台地には幾すじかの亀裂が走り、地球の裂け目のように映ります。くさびで台地を垂直に削ったようなこの裂け目も、さらに何万年もの年月を重ねて巨大な渓谷を刻んでいくことでしょう。
※左、ウオッチタワー。右、グランドキャニオン南東部の景色。
公園内のビューポイント
サウスリムの園内には何か所ものビューポイントが設けられています。渓谷沿いに続くメイン道路は依然64号。あるビューポイントはそこから右方向に枝分かれした側道端に設けられ、あるビューポイントは道路沿いの縦列駐車スペースからすぐのところに設定されています。
グランドキャニオンは、ビューポイントごとに少しずつその姿を変化させながら、しかし、延々と続いていきます。
垂直に切り立った崖の上から景色を望むため、ただでさえ転落防止柵があっても危険なのですが、柵が全く設置されていない場所も多くあり、注意が必要です。ひとつ間違えばと思うと足がすくみます。
※各ビューポイントからの景色
マザー・ポイント
グランドキャニオン国立公園で最も有名な場所の一つがマザー・ポイントです。地理の教科書などにもよく出てきます。デザート・ビューからは車で40~50分ほど、駐車場も大規模です。
ここにはビジターセンターがあり、自転車レンタルやカフェ、観光案内所などのサービスが提供されています。ビジターセンターの裏側周辺は散策公園のようになっていて、園路を歩いていくとグランドキャニオンを望める小道にたどりつきます。
この辺りは少し標高が高いとはいうものの、木々は少なく、真夏の太陽が容赦なく照りつけてきます。
マザー・ポイントはそんな散策路から渓谷側に少し突き出たところに設けられています。丁度、岩場が突き出たデッキのようになっていて、見る者の視野を広げます。ここからの景色は、写真などでよく見るグランドキャニオンの姿です。たくさんの観光客が記念写真を撮り、歓声をあげ、見事としか言いようのない自然の造形美を堪能していました。
※左、ビジターセンター。右、マザーポイントの遠景。
グランドキャニオンを後にして
グランドキャニオン国立公園には、まだまだ見どころは一杯あるようですが、私たちは圧倒的な自然の景観に満足して公園を後にしました。
帰路は、64号を南に向かいます。公園の南ゲートを出てしばらく坂を下ると、小さな空港やちょっとしたリゾート風の町が現れます。ここが、グランドキャニオンのベースになる町のようです。
さらに50Kmほど南下するとフリーウエイの40号。*1今度はひたすら西に車を進め、キングマンという街で州道93号へ、そこから北東方向に向かい、ラスベガスの近郊の街、ボルダーシティーで宿をとりました。
この日は、朝7時にハリケーンを出発して夕方6時にボルダーシティーに到着です。時差を考慮すると、結局12時間の長旅でした。
翌朝はラスベガスに戻り、今度はカリフォルニア南西部の都市、サンディエゴに向かいます。
※左、ボルダーシティーの丘。右、ボルダーシティから人工湖のレイクミード*2を望む。
グランドキャニオンへのアプローチ
フリーウエイの40号はアリゾナ州の大都市フェニックスから北方向に150~200Km、そんなに遠い距離ではありません。従って、フェニックスから直線的に一気にグランドキャニオンを目指す方も多いのではないでしょうか。
ただ、今回私たちが辿った道のりを振りかえると、断然、ラスベガスから時計回りに遠巻きに進むドライブがお薦めです。
その理由は、気まま旅のスケッチ7で紹介したように、途中、ザイオン国立公園を始めとして、グランドキャニオン以外の数多くの見どころが続き、ドライブをしているだけでもワクワク感が広がる道中だからです。時間があればぜひともこのルートをお試しいただければと思います。