エネルギー溢れる首都の街
メキシコ・シティーでは、もう1か所、ぜひとも訪れたいところがありました。セントロと呼ばれる街の中心部で、そこにはソカロ(広場)を中心に様々な歴史的建造物が林立しています。
この辺りは、今から600年ほど昔、アステカ帝国の中心地だったとのこと。その後、大陸の発見とともに、スペイン人が植民地化。かつての帝国に取って代わって、新たな街が築かれました。
今では、ソカロは、スペイン調の歴史ある建物が厳かに、しかも勇壮に広場を取り囲んでいます。
アジェンデ駅周辺
ソカロに向かうため、この日もメトロを利用です。イダルゴ駅からメトロ2号線を利用して、アジェンデ駅に向かいます。
駅は地下にあり、そこから地上に出ると、大賑わいの雑踏です。駅前や店先では、客引きの人々が大声をあげてひしめき合っています。歩道は観光客などであふれかえり、車道も車がひっきりなしの往来です。
目的地は、ソカロ。しかし、方角が全く分かりません。人の波に飲まれるように、それこそ気ままに歩いていると、いつしか、歴史ある建物が視野に入ってきました。
それは、メトロポリタン・カテドラル。ソカロを代表する教会です。
※メトロポリタン・カテドラル。
メトロポリタン・カテドラル
この協会は、何とも歴史的な建物で、築後、数百年の重みを感じます。見た目の古さが、構造上の危うさを印象付ける一方、厳かさが極まった建物です。周辺には、多くの観光客や地域の人々が往き来して、メキシコ・シティーの精神的な中心地と言う感じです。
今まで見たこともない、圧倒的な、迫力のある教会建物を目の当たりにして、メキシコの奥深さを感じ取ることができました。
メトロポリタン・カテドラルは、メキシコの他の教会と同様に、誰でも自由に中に入ることができます。内部は本当に厳かで、装飾と言い、空気と言い、クリスチャンの精神が凝縮されたところです。仏教徒の私でも、そこで祈りを捧げる人々の姿を見ると、心が洗われるような厳粛さです。
※左、カテドラル内部。右、カテドラルの一方向。
レストラン
アジェンデ駅からソカロを目指しつつ、昼食が取れるところを探していましたが、なかなかレストランが見当たりません。通りには、それこそ色々なお店があって、レストランもあるはずです。ところが、食べ物関係では、たまに、ファストフード店がある程度。
せっかくのメキシコ・シティーで、ぜひともメキシコ料理にありつきたいもの。ソカロ方面を探りながら、併せてレストランの看板を求めて歩き進んで来たのです。
結局、ソカロまで、レストランを見つけられなかった私たちは、ソカロに着いてしばらくした時、ある青年に声をかけられました。その青年は、レストランの呼び込みで、人なつっこく食事メニューを見せてきます。メニューの価格などを確認すると、お手頃なメキシコ料理。場所もすぐ近くということで、勧誘に乗ることに決めました。
※左、ソカロから見た、レストランが入っている建物。私たちは、中央の6階、最上階で食事をすることができました。右、ラストランから見たカテドラルとソカロ。
レストランは、ソカロに面した歴史的建物の6階にありました。この建物の1階は、ネックレスなどを販売する装飾品店の様子です。店の中に入り込み、階段を上って行くと、2階以上は、各フロアに別々のレストランがあって、選び放題という感じ。ただし、地上からは、まさかこのような建物の中にレストランがあるとは思えません。
客引きには、少し抵抗があったものの、この時ばかりは正解でした。見晴らしの良いレストランで、メキシコビールとお手頃なメキシコ料理を楽しむことができました。*1
ソカロ
ソカロは、中央広場という意味のようです。その名の通り、メトロポリタン・カテドラルや国立宮殿などの歴史的な建物に囲まれたこの広場は、広大で、多くの人が集い、往き交っていました。
また、大小のイベントも広場のあちこちで繰り広げられています。特に、伝統衣装を着飾って踊る姿や、ラテン音楽が鳴り響く空間は、人々の陽気な国民性がよく伝わってきます。
※ソカロの様子。
コレオ・マヨール通りとその周辺
ソカロから、国立宮殿の周囲を歩いて行くと、露店や商店街が広がっています。それこそ無数に店舗が連なり、地元の人々の市場の様子です。日用品や衣料品、そして、何故かカバン屋さんが幾つもあって、カラフルな商品が溢れていました。
歩道も店の中も、人で人で一杯です。呼び込みの声が響き、人々の喧騒が渦巻くこの界隈は、まさにメキシコのエネルギーを感じる場所。人が生きているという実感を味わえることができる街角でした。
※国立宮殿裏のコレオ・マヨール通りとその周辺。
見どころ満載の街
メキシコ・シティーの見どころは、まだまだあります。独立記念塔やソナ・ロッサの街、博物館など、訪れてみたいところは満載です。*2
歴史を背負いつつ、エネルギッシュに活動する人々の街は、ラテンアメリカの躍動感にあふれれています。人間の力強さを感じる街、メキシコ・シティー。限られた時間で、周り尽くすことはできませんでしたが、忘れることができない魅力の街でした。