旅素描~たびのスケッチ

気ままな旅のブログです。目に写る風景や歴史の跡を描ければと思います。

気まま旅のスケッチ20・・・テオティワカン遺跡(前編)

 古代都市へ

 

 メキシコは、古代文明が息づいた国でもあります。エジプトのピラミッドは余りにも有名ですが、メキシコにも数多くのピラミッドが存在していることは、テレビなどでもよく紹介されています。

 メキシコ・シティーの大都会近くに残る、テオティワカン遺跡。ここには、2つの大きなピラミッドとともに、宮殿跡や古代の都市国家の遺跡が保存されています。

 

 テオティワカンに向かう

 テオティワカン遺跡には、当初、日本語の現地ツアーで参加する予定でした。インターネットで調べて何度か申し込んだのですが、定員超えや通訳が手配できないなどとして、断られてしまいました。

 仕方なく、地元のバスを利用して、自力でテオティワカンへ。結果的には、結構気ままで快適なバス旅となりました。

 

 バス乗車

 テオティワカン遺跡は、メキシコ・シティーの北東50Kmほどの位置。首都近郊ということもあって、時間帯によっては大変込み合うと聞いていました。

 従って、私たちは朝早めにホテルを発ち、タクシーで北方面バスターミナルに向かうことに。*1このバスターミナルは、「気まま旅のスケッチ2」でも触れているように、メキシコ・シティーの北部に向かうバスの発着所。朝でも、たくさんの人で賑わっていました。

 

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※左、バスの乗車口。右、往きのチケット。8時50分発の印字があります。

 

 バスターミナルでは、8番のゲート近くにある、テオティワカン・バス(Autobuses Teotihuacan)のカウンターでチケットを購入します。タクシーで降車すると、向かって左の端。それほど迷うことはありません。カウンターでは、「ピラミダ」と言えば、「片道ですか、往復ですか?」と、ここは英語で尋ねてくれます。

 私たちは、往きと併せて、帰りのチケットも購入することにしました。料金は、片道1人52ペソ。300円弱の値段です。

 帰路のバスチケットは、出発時刻は印字されていません。カウンターで、「何時のバスでもいいですよ。」と、説明してくれました。

 

 バスに乗車するには、ゲートで手荷物の検査を受けて、6番乗車口で待機です。私たちが乗るバスは、朝8時50分発。さすがに早い時間帯だったので、全部で15人ほどの乗客でした。

 バスは、指定席ではないために、どこに座っても構いません。長距離の高速バスというよりも、地元の方たちも利用する、快速バスという感じです。

 

 ほぼ定刻にターミナルを出発したバスは、市内道路から自動車専用道路に入り、テオティワカンに向かいます。メキシコ・シティーから離れると、車窓から、丘に広がるカラフルに彩られた住宅地が見えてきます。

 

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※車窓からの風景。

 

 建物は次第にまばらになり、トウモロコシ畑やブッシュなどが見えてくると、バスは自動車専用道路から離れ、古い町に入っていきます。

 そして、しばらくすると、運転手の方が、「ピラミダ、ピラミダ」と案内してくれました。*2

 

 遺跡のバス停留所

 ガイドブックによると、遺跡には、3つのバス停留所があるようです。遺跡の南西端が1番。西の中央辺りが2番。そして、北西端が3番です。

 「ピラミダ」と案内してくれたところは、中央の2番バス停。利用した、テオティワカン・バスは、2番と3番で停車するということで、私たちは、他の観光客がそうしたように、3番の停留所で下車することにしました。

 メキシコ・シティーを出発して、1時間20分。心地よいバス乗車でした。

 

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※3番バス停留所を降りたところ。このバスに乗車してきました。

 

 遺跡に入場

 バスを降りて、ほんの少し歩いたところには、広々とした無舗装の駐車場がありました。駐車場の入り口には、チケット販売所があって、そこで入場券を購入します。

 入場料は、1人75ペソ。日本円にすると400円余りです。ビデオカメラを持ち込むと、追加料金が必要と書かれていました。*3

 チケットは、INAH*4という研究機関が発行しているようで、遺跡保存と観光活用のバランスが図られている様子です。

 

 遺跡の入口

 チケットを入手して、駐車場を進んでいくと、再び入場ゲートです。そこでチケットを提示して中に入ります。

 

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※トイレ前あたりから、入り口方面の様子。左手が土産物店が並ぶ建物。

 

 遺跡の区域に入ると、すぐ右手に、土産物店が並んでいます。まだ、時間的に早いのか、2割ほどの店しか開いていませんでした。

 土産物店の端の位置には、小ぎれいなトイレです。入口には、おじさんが、ロール状のトイレットペーパーを持って待機しています。ここもトイレは有料か、と思いきや、料金は不要。おじさんは、ペーパーの適量を使用者に聞き、カットして渡す役割です。

 

 トイレの向かいには、既に遺跡が見渡せます。この辺りは、宮殿跡。ぐり石を、しっくいでつなぎ合わせたような、不思議な石垣です。しかも、このつなぎ目には、小石が均等に埋め込まれ、一風変わったデザインになっています。*5

 そして、宮殿の向こうには、月のピラミッドです。

 

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※宮殿跡。上部の石垣の向こうには、月のピラミッドが見えています。

 

 宮殿を後にして、次は月のピラミッドへ。不思議な遺跡を堪能します。

*1:タクシーはホテルで手配して頂きました。バスターミナルまで、230ペソとのことでしたが、タクシーを降りるとき、運転手さんから200ペソに決められているので、と良心的。30ペソは、チップとしてお支払いしました。

*2:テオティワカン遺跡までの間、バスは何回か停留所で停車しました。その度に、地元の方たちが乗り降りされますが、停車場名の案内はありません。遺跡のところだけ、声をかけてくれるようです。

*3:追加料金は45ペソ程度だったように思います。

*4:Instituto Nacinal de Antropologia e Historia 。国立人類学歴史研究所という組織のようです。

*5:この石垣は、恐らく特別な意味を持ったデザインなのでしょうが、詳しくは分かりません。ガイド付きのツアーなら、きちんと説明してくれるのでしょう。