旅素描~たびのスケッチ

気ままな旅のブログです。目に写る風景や歴史の跡を描ければと思います。

歩き旅のスケッチ23・・・中山道、各務原から御嶽宿へ(後編)

 木曽川を越え御嵩

 

 中山道は、木曽川の流れに逆らうように、山の方へと向かって行きます。これまで、揖斐川長良川を渡ってきましたが、太田宿を出ると木曽川の横断です。これで、木曽三川を渡り切り、美濃の奥へと進みます。

 今回目指すところは、美濃路の峠道の玄関口、御嶽宿(みたけじゅく)。太田宿から伏見の宿場を通過して、山が迫る御嵩へと歩みを進めます。

 

 太田の町

 太田宿の途中から、左にそれて進んでいくと、美濃太田駅があります。ここは、JR高山線と大多線、そして、郡上方面に向かう長良川鉄道の拠点の駅となっています。

 太田宿や美濃太田駅があるこの町は、実は美濃加茂市。名称が、少しややこしく感じるのですが、歴史や成り立ちがあるのでしょう。

 私たちは、美濃加茂市で1泊し、翌日に太田宿から御嶽宿を目指して歩き始めました。

 

 伏見宿

 太田宿の後半は、歴史的な建物はありません。それでも、道筋だけは、往時の面影を残して続いています。

 

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※太田宿の様子。

 

 太田宿を後にして、少し木曽川の堤を歩くと、太田橋です。木曽川に架かる水色の橋で、かつての今渡(いまわたり)の渡し方面へとつながっています。

 木曽川は、太田橋付近は結構な水嵩です。昔からこのような状態だったのか、よく分かりませんが、伊勢湾にそそぐ河口から、随分と上流になるところでも、幅広い川幅を保っています。

 太田橋を渡ると、今渡です。今渡の堤防近くには、ちょっとした河川敷公園のようなところも見られます。

 

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※左、太田橋。右、今渡の街角。

 

 街道は、それから、緩やかな坂道に。しばらくは、住宅が軒を連ねる旧道が続きます。さらに東に向かっていくと、やがて国道21号と合流です。ここは、新しい郊外型の店舗や倉庫などが、国道に沿って点在し、視野も広がっています。*1

 国道21号は、丘のような地形になっていて、上りを終えて下っていくと、大きく右方向に迂回していきます。実はこの、迂回する道はバイパスで、国道21号としては、ここで旧道とバイパスの二手に分かれることになるようです。*2

 街道はこの迂回点から左にそれて、真っすぐに東方向の旧国道へと入っていきます。

 

 50番伏見宿

 旧道を進んでしばらくすると、伏見宿に到着です。この宿場は、中央の交差点に、街道を意識した意匠のトイレや休憩所が設置されている他は、宿場の面影はほとんど残っていません。今は、住宅や店舗がはり付いて、よく見かける沿道の町の姿です。

 

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伏見宿

 

 御嵩宿へ

 伏見の宿場を出ると、概ね、旧の国道21号に沿って進みます。時折、国道の左右にそれる道があるのものの、そこには案内板が設置されていて、道を誤ることはありません。

 国道は、車の往来はそれほど多くありません。ただ、街道の雰囲気はなく、ひたすら車道脇の歩道を歩きます。

 御嵩の町が近づくと、中山道は右方向に。御嵩口駅に向かいます。この駅は、御嶽の宿場がある御嵩駅と同様に、名鉄広見線の駅になります。名鉄のこの路線は、新可児駅から御嵩駅に延びていて、のどかな里を走る鉄道です。

 

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伏見宿を出て、国道からそれる道への入口。

 

 御嵩口駅から御嵩駅はそれほど距離はありません。名鉄の線路と並行した道を進みます。御嵩口の駅に着くと、そこはもう御嵩宿。「歩き旅のスケッチ2」から書き始めた、美濃路の難所に差し掛かる宿場町です。

 太田宿から御嵩宿まで12Km。今回、JR各務原駅を降りたって、1泊2日で御嶽の宿場に到着です。

 

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御嵩宿にある、みたけ館。

 近江路から美濃路まで

 歩き旅のスケッチは、2から12までが、言わば第1章。このシリーズでは、美濃の御嶽宿をスタートし、信濃の国の芦田宿まで辿り着きました。この間は、峠越えが中心の山間の道歩き。中山道の魅力が詰まった区間です。

 そして、歩き旅のスケッチ13から今回の23までが、第2章。近江の草津を出発し、平地が続く近江路と美濃の国の前半を踏破して、御嶽宿まで到達しました。

 振り返ると、京都三条大橋から御嶽宿までが、のべ12日の行程で、御嶽宿から芦田宿までは、15日をかけて歩きつなぐことになりました。

 この歩き旅も、気まま旅。私たち夫婦は、必ずしも都から一貫して江戸に向かって宿場をつないだ訳ではありません。ある時は、美濃路を歩き、またある時は近江路に戻りながら、それでも全体として都から東に向けて、少しずつ行程を重ねていきました。

 肩ひじ張らずに、気持ちに任せて歩きつなぐこと。これが、「歩き旅のスケッチ」のスタイルです。

 

 さあ、次回からは第3章。信濃路の芦田宿から、一気に江戸日本橋まで向かいます。

 この区間は、千曲川浅間山の風光明媚な風景をめでながら、碓氷峠の難所を越えて、上州路、武州路へと進んでいきます。次第に江戸が近づくと、気持ちも高揚していきます。

 

 ご注意

 「歩き旅のスケッチ」は、次回から、中山道の第3章となりますが、私のブログは、その間に、「気まま旅のスケッチ」を数回挿入させて頂きます。

 気まま旅の内容は、再びメキシコ。メキシコ・シティーとその近郊のテオティワカン遺跡を紹介します。

 

*1:この辺りの町は、可児市になります。

*2:国道21号は、この後、二手に分かれて走っていきます。そして、「歩き旅のスケッチ2」で記しているように、御嶽宿を出て、しばらくしてから2つの国道は合流します。