旅素描~たびのスケッチ

気ままな旅のブログです。目に写る風景や歴史の跡を描ければと思います。

気まま旅のスケッチ2・・・グアナファトへ

メキシコ・シティーからグアナファトへ*1

 

 さあいよいよメキシコのコロニアル都市グアナファトに向かいます。グアナファトは中世のスペイン植民地時代の街並みが残る美しい街で、必ず訪れたい場所でした。メキシコ・シティの北方面バスターミナルから長距離バスを利用して、魅惑の街を目指します。

 

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※左はグアナファトへのバスチケット。発車時刻や座席位置、料金などが印字されている。中央、2番ゲートが指定の出発口。右はETNのバス、乗車時に飲料と菓子パンが配られました。

 

バスチケットの購入

 バスのチケットは、バスターミナルにずらっと並ぶ幾つものバス会社の中から希望の会社を選び購入します。私たちは事前の情報からETNというバス会社を選びました。料金*2は他の会社より少し高めとのことですが、長距離移動のため快適性を優先です。

 ETN社のチケットカウンターでは、もとより不慣れな英語と簡単なスペイン語単語で行先やバスの時刻を申し出ます。カウンター職員も英語は苦手なようで、なかなか意思が伝わりません。それでも四苦八苦のやり取りの末、何とか希望の便のチケットを入手することができました。カウンターでは、ゲート番号やバスの停車位置番号、指定座席、集合時刻など、一つひとつ丁寧に説明してくれました。

 

バスに乗車

 グアナファト行きは2番ゲートが指定の搭乗口でした。上部中央の写真奥に進むと、搭乗口とともに待合スペースや有料のトイレ*3などがあります。搭乗口では、事前に荷物の機械検査を受ける必要があり、検査が終わると指定のバス停留位置(グアナファト行きは100番)まで行って待機することになります。

 ETN社のバスは2階建てになっています。正面に向かって左中央に乗降口があり、バスに乗り込むと左手に2階に上がる階段が、また、すぐ正面にはトイレが2つあります。1階前方は4席の座席があるのみで、残りはすべて2階となります。2階座席は右側2列左側1列で、シートは広くフットレストやディスプレイも備わっています。シートの座り心地は良好で、窓も広く快適なバス旅ができました。

 

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※ゆったりとしたETN社のバスシートと車窓の風景。

 

 メキシコ・シティからグアナファトまでは直線でおよそ300Km、途中3か所程度のターミナル停車があり、約5時間の行程と言われています。私たちは9時50分発のバスを利用しましたが、結局グアナファトのバスターミナルには15時30分頃に到着しました。ちなみに、ETN社のメキシコ・シティからグアナファト行きのバスはおよそ1時間に1本、日に18本もの便が出ています。他社の便も含めると相当な便数となります。

 このように、長距離バスはメキシコの都市間を結ぶ重要な交通手段となっているようで、メキシコ・シティの北方面バスターミナルは多くの乗降客等で賑わっていました。

 

車窓の風景

 車窓からはメキシコの風景を楽しむことができます。メキシコ・シティを離れると、シティ近郊の住宅地が丘陵の上部まで広がる光景がしばらく続きます。その後徐々に建物の数は減少し、沿道サービスの店舗や事業所が姿を見せ始めます。やがてトウモロコシ畑や牧草地、ブッシュやサボテンの平地や丘陵が広がります。

 出発から3時間ほどが経過して2つ目の停車ターミナルを過ぎるとケレタロの街が見えてきました。ケレタロもコロニアル都市の一つで、中世から残るアーチ式の水道橋が有名です。私はできればその水道橋を一目見てみたいという思いがあり、車窓を注意深く眺めていると、何と上の写真右の下部に写っているように、バスからもその姿をとらえることができました。

 ケレタロからさらに北西に進んでいくと今度はイラプアトという街に入ります。軍の基地や工場などがある街で、バス客のほとんどはここで下車されました。この街の情報はまったく持ち合わせていませんでしたが、バスターミナルを出て市街地に向かう途中は荒れた建物などが目立ち、少しアブナイ雰囲気が漂っていました。

 イラプアトを出るといよいよグアナファトに近づきます。

 

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※グアナファトの入り口。なぜか日本語の”ようこそ”も。右はグアナファトのバスターミナル。

 

グアナファトに到着

 主要道路のゲートをくぐり、しばらくするとグアナファトのバスターミナルに到着です。このターミナルはそれほど大きくありません。乗り入れのバス会社も数社といったところでしょうか。長距離バスは写真右のターミナル建物の裏に到着します。そこでバスを降り、ターミナル建物を経て写真の位置から表に出るということになります。

 バスターミナルからグアナファト中心部に向かうには、通常はタクシーを使うか地元のバスを利用する方法があります。私たちは地元の人々の雰囲気を感じるため、バスで街に向かうことにしました。

 ちょうど右の写真を撮影しているところがバス停の位置になります。バスは時刻表はないものの、それほど待たずにやってきました。バスには、フロントガラスの右側や前方右側面の窓ガラスに白い絵の具のような塗料で"Centro"とかその他の幾つかの文字が書かれていました。確認のためバスの運転手さんに「Central ?」と問い合わせると、そうだということでそのバスに乗り込みました。

 バス料金は7ペソ。乗車時に運転手に支払うと、ペラペラの紙でできた小さなチケットが手渡されました。また、このバスはお釣りももらうことができます。

 バス停でそこそこ乗客が乗り込むとバスは出発します。ただ、出発してすぐに2~3回バス停とは思えない場所で停車し、その都度何人もの乗客を積んでいきます。結局、バスターミナル近辺を離れる頃にはバスはすし詰め状態になりました。

 バスターミナル周辺のちょっとした街を離れて山道風の坂道を進んでいくと、やがて街中に入っていきます。何か所かの停留所で停まりながらバスはトンネルに入ります。暗いトンネルをしばらく進んだところで再びバスは停車、ここまでおよそ20分。どうもここがCentroのようです。運転手に確認すると、「まっすぐ進んで上に上がれ」的なジェスチャー。とにかく前の人の後を追って進むことにしました。

 数10メートル、トンネル内の歩道を進むと明かりが見え、階段が現れました。前の乗客に続いて狭い階段を上がっていくと、地元の人たちが行きかう賑やかな街に出ることができました。

 地元の人が多く集まる市場やファレス通りの店舗にはあちこちから呼び込みや人々の会話の声が響いてきます。その空気は活気に満ち、生活感がにじみ出るような、あふれんばかりのエネルギーを感じます。

 このようなCentroは、観光客が集まるエリアからは西に少し離れたとこに位置しています。そこからメイン通りのファレス通りを東に歩いていくと、いつの間にか街の様相が変化し、観光地へと移行していきます。

 

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 ※左はイダルゴ市場の場外店舗。右は観光地エリアへの街並。

 

 グアナファトの美しい街並みや街全体の様子は次回に詳しくお伝えします。

 私たちは、2泊3日の滞在でしたが、3日目朝には次の目的地であるサンミゲル・デ・アジェンデに向かいましたので、グアナファトの滞在は実質1日半。それでも街の中心部は一通りめぐり歩くことができました。郊外の見どころは残念ながら訪れることはできなかったものの魅惑の街に大満足です。

 

 グアナファトでは El Meson de los Poetas というホテルに滞在しました。歴史的な建物で、迷路のような廊下や階段に戸惑う面もありましたが、丁寧に維持管理されている趣あるホテルです。また、屋上からの景色は絶景で時を忘れるほどでした。

 

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ホテルの屋上から


 

*1:2019年8月17日

*2:グアナファトまで税込みで1人795ペソ。1ペソ5.5円で計算するとおよそ4,400円になります。

*3:1人6ペソで、コインを入れると自動的にゲートをくぐれるようになっています。